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19/10/24[ルヴァン 川崎F]J王者となって帰還。カップ戦初タイトルへ、5度目の挑戦

 どの決勝戦を思い出すだろうか。2000年、当時選手としてピッチに立っていた鬼木監督が敗れた鹿島との決勝か、07年にG大阪に僅差で敗れた試合、09年にFC東京との多摩川クラシコに敗れた一戦、それとも17年にC大阪の前に夢がついえたときだろうか。

 2年前、誰もが固唾を飲んでピッチを見守っていた。立ち上がりに失点を許す難しい展開。衝撃的なスタートに平常心を失った選手たちは、それでも最後までがむしゃらに勝利を目指して戦っていた。だが、一度ズレた歯車はかみ合うことなく試合終了の笛が鳴る。茫然自失。怒ることもできず、声を出すことも叶わず、静かに涙を流すことしかできなかった。

 勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。後悔の念は尽きない。何より自分たちの力を発揮できずに敗れたことが悔しかった。

「自分たちの力を出して負けたという感じがなかった。まずそこだと思う。自分たちの力を出すこと。それで負けたら『もっとこうしなければ』と思うけど、一発勝負で自分たちの力を出せないのが一番もったいないことだと思う(小林 」 )決勝に負け続けている要因に、小林は「自分たちが弱いから」と答えた。一発勝負の大舞台で緊張し、いつもどおりのプレーが出せないのは、選手として、チームとして自分たちが弱いからだと。そして、それを乗り越えるには優勝するしかないと。

 一昨年、昨年と、川崎Fはリーグを連覇した。「シルバーコレクター」と呼ばれ続けた歴史に終止符を打ち、チームは確かな一歩を踏み出している。タイトルを獲ったことで心構えも変わった。「何かを成し遂げたことがあるというのを持っていると、いろいろな引き出しが増える。これまでより冷静に戦えるようになったというのは間違いなくある」(谷口)。タイトルを獲った自信、それによるメンタル的な成長は見える。あとはカップ戦の一発勝負で、これまでの経験を生かせるかどう か。チーム一丸となって乗り越えていくしかない。

 今までの敗戦の歴史をなかったことにはできない。ただ、モノクロの歴史を歓喜の色に変えられることはリーグ優勝が証明している。「今回はチームが強くなるために大事な試合。本当に獲りたい気持ちが強い」と小林は言い切った。巡ってきた決勝のチャンス を失うわけにはいかない。勝負弱い川崎Fを払しょくするにはカップ戦初タイトルを手にするしかない。5度目の挑戦。カップを掲げ、笑顔あふれるサポーターとともに新境地に立つチームの姿が見たい。

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