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19/03/31[FC東京]こぼれ落ちた『3』。あふれ出すまっすぐな言葉

 崩れ落ちる守備陣。チャン・ヒョンスは膝に手をつき、室屋は座り込んだ。手垢のついた表現だが、つかみかけた勝利が、指の隙間からすり抜けた。ミス絡みではない失点。DFは余計に悔しい。「これが、サッカーです」。奇しくも、堅守を築いていた森重とチャン・ヒョンスが、開口一番同じセリフを口にした。悔恨の理由もしっかり自分たちに見いだす。「残り時間、チームとしてもっと勝点3をとる行動に出てもよかった。ボールをクリアする。ピッチに倒れ込んだっていい」と森重が話せば、守護神の林も「時間の使い方はもっと突き詰めたい。まだまだ未熟。自分もあのシュートを止めたかった。人に責任を押しつけずに考えられるかが大事になる」と悔しさをかみ殺して語る。

 完全な勝ち試合。中盤を変形してきた浦和に、FC東京は自慢の守備組織で落ち着いて対応していく。敵にチャンスらしいチャンスを作らせずに時間を経過させ、ラスト30分になったところで交代カードとして控えた久保を投入。その久保の絶妙なスルーパスが起点となりディエゴ・オリヴェイラのゴールが生まれた。そんな勝ち試合を逃したのだから、反省の弁はいくらでも出てくる。「試合をクローズさせられる選手がまだいない。交代枠も二つ余っていた。勝点3が『1』になったところに、私も監督としてまだ甘さがある」。選手同様、長谷川監督も自省を忘れなかった。

 これで03年以来遠ざかっている埼スタでの勝利は、またお預けになった。負の歴史は続く。しかしインパクトのある事実に、いまの青赤は左右されてはいけない。一瞬下を向いた仲間たちを、すぐさま励まし前を向かせた主将の東。「これが勝負の世界。相手もあるスポーツ。でもいまのチームにネガティブな要素はない。こういう試合を勝っていけるために。目指すところは明確になった。絶対に教訓にしないと」。

 反省も、手ごたえも。この日出てきた選手の言葉たちは、すべてまっすぐな思いだった。その愚直さを、必ずや上昇への力に変えるしかない。タイトルを余計に渇望させる、そんな埼スタでの勝点1だった。

(西川 結城)

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