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19/12/24【天皇杯】初のファイナルへ。神戸、成長を示しながら

(写真:Getty Images)

 横浜FM時代の経験を踏まえ、「平常心」で準決勝の舞台に臨む大切さを強調していた神戸のGK飯倉だが、試合前日は「いつになく心がザワザワしている。落ち着かなかった」という。経験豊富な33歳は見えないプレッシャーと戦った。今夏神戸に移籍加入。両肩に乗ったのは重たい使命感だ。披露した窮地を救う二つのビッグセーブ。試合後の飯倉からは束の間、晴れやかな空気が漂った。

 神戸がクラブ初となる天皇杯の決勝進出を決めた。使命感や責任感を背負った選手は等分だ。それぞれが自らのバックボーンやポジショニングの中で、日ごろの練習からチームを盛り上げてきた。

「いい競争の中で、いい準備をして決勝にいけた」ことを喜んだのは小川だ。味方のミスを帳消しにした飯倉のプレーにチームの“いま”を見る。

「ミスをみんなでカバーするのがチーム力向上のカギだと思っている。今日はそれが何本もあったし、今年、積み上げてきたものを出せた」

 決勝進出は神戸が確かな成長を遂げていることの証明だろう。艱難辛苦を乗り越えてきた今シーズン、出場機会の有無にとらわれず、それぞれがトレーニングから質を磨き、心を鍛えた。妥協を許さないクオリティー。ハードワークは当たり前。体に沁み込ませる作業と向き合ってきた。

 酒井は若手の変化を感じている。「コイツらも内に秘めたもの、あるんやな」。J1第33節・鹿島戦でメンバーを大きく変えた中、若手が示した躍動感。「それを練習から見せてくれている。(今夏神戸に)きた当初といま、若手の印象はすごく違っている」。実現される“底上げ”がうれしそうだった。

 初の決勝、新国立。クラブ未踏、王者の冠まであと一歩。始まるのは今季最後の“準備”だ。「決勝だからと言って特別に考え過ぎず、チームとして目の前の事にフォーカスする。自分たちのやるべきことを」。いつもどおり―。トーマス・フェルマーレンは、必要なメンタリティーを説いた。

文・小野 慶太

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