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19/12/24【天皇杯】鹿島、天皇杯決勝へ。残された大きな課題

(写真:Getty Images)

「(次は)決勝戦なので、どんな形でも勝利を目指す。鹿島アントラーズの哲学である、常に目の前のタイトル、目の前の試合に全力を尽くす。そういう気持ちで臨みたい」

 試合後、大岩監督は決勝に向けて強い意気込みを口にしたが、試合内容の乏しさを前にすると逆に空虚に響く。明確なゲームモデルをもって挑んできた長崎との差は大きかった。

 試合中の対応力や修正力は、この試合でも見せることができた。後半もゴールを許したとはいえ相手のシャドーをボランチでケアする形は、それなりに機能した。しかし、それはあくまで応急処置。リードしたからこそ許される対応であり、逆に追う立場だったら、後ろ重心になったところからゴールを奪いにいかなければならなかった。

「試合に入って相手の状況を見ながら考える」

 これは、鹿島にいれば当たり前のように聞く言葉だ。11人の意思が統一され、一つの生き物のように動けるなら臨機応変な戦いも可能だろう。しかし、シーズン終盤を迎えてから、主力選手のパフォーマンスレベルは落ち、両SBはほかのポジションの選手をコンバートして起用しなければいけない状況だ。理想とする「目の前の試合に全力を尽くす」戦いは、絵に描いた餅となりかねない。

 選手がイメージを合わせ、問題点があれば話し合いによって解決してきた歴史が鹿島にはある。能力と経験値の高い選手がいたときは、それでも事足りた。しかし、時代は変わった。どうやって守り、どうやって攻めるのか。ピッチの中だけで解決できないことがあまりにも多くなっている。

 解決できる選手を起用するのか、それとも解決策を授けるのか。監督が言う「今シーズンやってきたこと」というのは、同じプランを遂行することなのか、同じ選手を起用することなのか。長崎が示したお手本をムダにしてはいけない。

文・田中 滋

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