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19/12/23【日本代表】日本代表と韓国代表の異なるプロセス。E-1優勝に値したのは……

(写真:Getty Images)

 E-1の韓国戦では両国の戦略面と戦術面の両方での差が結果に表れた。本来のA代表と東京五輪を目指すU-22代表をラージグループとする森保一監督はU-22代表の選手が過半数を占めるフレッシュなメンバーで、しかも[3-4-2-1]をベースにほぼ即席のチームを作り上げた。一方のパウロ・ベント監督は同じく欧州組を招集できない事情の中でも、U-22代表の選手は東京五輪を兼ねた来年1月のAFC・U-23選手権に向けた準備に専念させ、国内組にJリーグ、中国、MLSの実力者を加えたA代表経験者で固めてきた。

 韓国は守備を固める香港、中国に対してはボールを支配しながらも苦しんだが、ボールを握りにくる日本とは戦い方がうまくマッチングした。ただ、E-1のチームとしては地力に勝りながら、韓国の戦い方にはより日本を上回るための対策も反映されていた。守備では日本のGK中村航輔も含めた自陣からのビルドアップに徹底してプレッシャーをかけ、ボールを奪えば通常よりカウンターを増やした。日本が5バックになって構えれば、その手前に生じるスペースを活用して高い位置からフィニッシュを狙っていく。具体的には[4-3-3]の形からSBの一人がWGのポジションに上がり、同サイドのWGが中央にポジションを取ることで、日本の5バックが深い位置に張り付けられる状態を作り、その手前でアンカーに位置するチュ・セジョンがフリーになる状況を生み出していた。

 森保監督は会見で「戦術的に後手に回ったとは思っていない。選手も個々のケアは対応している中で強度が足りなかった」と語ったが、鵜呑みにするのは危険だ。E-1においては戦術的な落とし込みは二の次であろうし、終盤に勝負に徹した手を打たなかったことからも、戦力のチェックの優先順位が高かったことは想定しやすい。韓国サッカーを前進させるプロジェクトを明確に打ち出すベント監督の継続性に比べると、五輪監督を兼任する森保監督のチーム作りはつかみどころがない。中長期的な視野に立って見るなら、どっちが吉と出るかは現時点で断定しようがない。ただ、E-1という大会において明らかに韓国が上回り、優勝に値するエビデンスをピッチに示したことは確かだ。

文・河治 良幸

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