日本代表・Jリーグ日本代表・Jリーグ

19/11/15【U17W杯】U-17代表、足りなかった“単騎”で勝負できる選手

(写真:Getty Images)

 ブラジルで行われたU-17W杯。日本は残念ながラウンド16で敗退した。欧州王者・オランダに完勝というド派手なスタートを切り、“死の組”と言われたグループステージを堂々首位通過。11年大会以来となるベスト8進出へ、準備は整ったかと思われた。しかし、結果はメキシコに完敗。日本のU-17W杯は4試合で幕を閉じることとなった。

 大会前、森山佳郎監督は不安を口にしていた。「勝点4なら3位で突破できる」。普通に考えれば、オランダ、米国、セネガルとの対戦は簡単ではない。加えて、久保建英らを擁した前回のチームと比較し、今回は個で戦える選手が限られる。3位通過を頭に入れていたのもそのためだ。だが、指揮官の懸念は杞憂に終わる。日本らしい機動力と技術を生かした攻撃と堅実な守りを見せ、2勝1分で首位突破を決めたのだ。

 この快進撃は現地でも高く評価された。特に日本の見方が劇的に変わったのは3-0で快勝した初戦のオランダ戦のあと。試合翌日にはU-17W杯を扱うブラジルのTV番組で紹介され、スタジアムでも組織的に戦う日本の強さを賞賛する声が聞かれた。記者やスカウト陣からも同様の声が多く上がり、個人の選手が話題に上がる機会もしばしば。

「GKは何者だ」「なぜ9番はハイスクールの所属なんだ」「10番にビッグクラブが興味を持っている」

 攻撃をけん引した西川潤、スピードが武器の若月大和。好守を連発し、高質なキックで攻撃の起点にもなったGK鈴木彩艶。1対1で無類の強さを見せたCBの半田陸も評価が高かった。ただ、チームや一部の個人が株を上げても、16強敗退の事実は変わらない。

 どうすれば、一つ先の景色を見られるのか。やはり、個で戦える選手を増やすことだろう。特に言えるのは攻撃陣。対策された2戦目以降は苦戦し、ラウンド16のメキシコ戦は西川のキープ力と若月の快足を消されると、ほかに攻め手がなかった。SHの成岡輝瑠や三戸舜介らが局面を打開しようと奮戦したが、北中米の雄を前に沈黙。技術や速さで変化をつけられても、2
点目を決めたメキシコの9番、サンティアゴ・ムニョスのように、独力でゴールをこじ開ける力まではなかった。それは森山監督も認めている。

「若月と西川が注目されたけど、もう1枚サイドで勝負できる選手がいれば。日本が目指すテクニカルで組織的なこともできて判断力もある。そして、アスリート的な能力を持った選手…。メキシコの9番みたいに一人で持っていける選手が育ってほしい」

 日本は現地でもグットチームの一つに挙げられた。その評価は決してお世辞ではない。しかし、さらに上を目指すには単騎で攻撃の違いを作れる選手が足りなかった。劣勢に陥っても、どんなに警戒されても、一人で勝負を決められるプレーヤーの台頭。これは次のU-17W杯、そして今回の戦いを経験した選手たちが出場資格を持つ2年後のU-20W杯に向けた宿題となる。強烈な個性を持った選手が一人でも多く増えれば、次のステージが見えてくるはずだ。

文・松尾 祐希

日本代表関連の生放送予定 

キリンチャレンジカップ2019

・日本 vs ベネズエラ
 11月19日(火)夜7:00〜(生中継 フジテレビ系)

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.