日本代表・Jリーグ日本代表・Jリーグ

19/11/12【Jリーグ】試練のアウェイ8連戦終了。首位で味スタに戻るFC東京

(写真:Getty Images)

 誰の、何から讃えればいいのか分からない。FC東京は全員が等しく、愚直に戦い尽くした。残留争いの磐田とは激戦になった。白星めがけて泥臭く走り抜いた90分間は、感動的ですらあった。

 前半途中でCBの渡辺が負傷交代。今週から始まるU-22日本代表の活動も辞退しなくてはならないケガとなった。急きょ代わりに入ったのは岡崎。9月の同代表遠征には招集されたものの、10月の遠征は皮肉にも渡辺に取って代わられ選外となった。その若きDFが、ここで意地を見せる。冷静なパス出し、そしてルキアンやアダイウトンの圧力に悶絶しながらも、守り切った。「(渡辺)剛と遜色ない。マコ(岡崎)の能力と普段の取り組みが出た試合だった」と隣で支えた森重。長谷川監督も「昨年は真っ白になってテンパることもあったけど、落ち着いてやってくれた」と目を細めた。

 PKで虎の子の1点を決めたディエゴ・オリヴェイラ。ただ、それ以上に集団に身を捧げるプレーが際立った。後半になっても長い距離もいとわず自陣までプレスバックを繰り返した。負傷交代はその代償となってしまったが、あの守備が、あの献身がなければ結果は変わっていたかもしれない。相棒の永井も試合終了まで敵に圧をかける。中盤では橋本と髙萩が丁寧かつ激しく球際に寄せる。ゴール前のスクランブルにはGK林が何度もグッドセーブで応え、ゴールにカギをかけた。

 肉弾戦、神経戦の連続にも、集中を切らさない。布陣のどこからも水漏れはなかった。精魂込めて“闘う”。それはこのような姿を言うのだろう。

 終了のホイッスルが鳴り、拳を掲げる者、膝に手をつく者、それぞれが激勝の味をかみ締めた。皆に満面の笑みで歩み寄るのは東。試合中から手を叩き仲間を鼓舞した主将も体を投げ出しピッチを駆け巡った立役者だ。ロッカールームで響いた、長谷川監督の言葉。「本当によく
やってくれた。ただ、まだ何も成し遂げてはいない」。当然ここが最高潮ではない。すぐに兜の緒を締める。心にスキは見当たらない。

 長くタフだったアウェイ8連戦。戦績は4勝2分2敗。ラスト3連勝を飾り、上々の着地となった。1位で突入した敵地転戦。紆余曲折を経て、FC東京は次節いよいよ3カ月ぶりに味の素スタジアムに戻る。

 再び、堂々首位の座に返り咲いて。

文・西川 結城

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.