日本代表・Jリーグ日本代表・Jリーグ

19/09/28【Jリーグ】監督交代の名古屋。残留へ失点を減らすため、守備にメス

(写真:Getty Images)

 J1も残り8試合。残留争いに巻き込まれている11位の名古屋は風間監督からかつてFC東京や鳥栖を率いたマッシモ・フィッカデンティ監督へと指揮官を交代。カテナチオの国からやってきた新指揮官に期待されるものはなにか。

 J2降格という危険水域が見えている現在において、真っ先に手をつけなければならない課題は、直近15試合で33失点している守備の立て直し。これまでのチームには守備の約束事がなく、個人のスキルに頼っていた部分が大きかった。特にディフェンス陣は「一人で二人を見る」ことを求められ、劣勢を強いられる場面も多くあった。

 その点においてマッシモ・フィッカデンティ新監督は、堅守速攻のチーム作りをしてきた実績がある守備戦術に長けた指揮官だ。なおかつ昨年まで5年間、FC東京と鳥栖を率いていたことでJリーグのサッカーも深く理解できている。

 だが、いくら守備的と言えども、ただ引いて守る一辺倒ではなく、正しいゾーン正しいポジションに位置することで相手にチャンスを作らせないスタイルであり、サッカー自体が極端に変わるわけではない。リスクを減らし約束事のなかった守備に規律をもたらすことでいい守備からいい攻撃へ移行するという、至って常識的なサッカーになるだろう。勝利を積み重ねるためのベースを作ることが期待される。

 極めて短時間ではあるが、マッシモ・フィッカデンティ監督が就任してからの練習は、そのほとんどが守備の練習に時間が費やされている。これは「攻守一体」として、攻撃練習も守備練習も同時に実施していた風間前体制との大きな差。ボールを止めて細かくポジショニングを指示するなど、守備の規律作りの作業は、最近の名古屋では目新しい風景だ。

 また4バックだけで体の向きをそろえるなど、守備の基礎的な練習もあった。その中で、できない選手がいればその場でボールを止めてしっかり教え込む。前体制では、個人のスキルアップは全体練習後に個人で取り組むものであり、試合も練習も最も技術の高い選手に下の者が追いついていこうというスタイル。一方、フィッカデンティ流は全員で一緒に底上げしようという意図があるように感じた。

 攻撃面はフォーメーションの変更もあり、ボールをとことんつなぎ倒すスタイルから変化することは必至。ただ「いいところはどんどん出していいと監督から言われている」(吉田)と、リスク管理をしながらも攻撃的にいく姿勢を見せるかもしれない。

文・斎藤 孝一

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.