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19/09/27【Jリーグ】シュート3本で3得点。この男にしかできない芸当

(写真:Getty Images)

 25日、天皇杯ラウンド16で鹿島が横浜FMを相手に4-1で快勝。負傷が癒え、ひさびさにピッチに立った中村充孝が、ハットトリックの活躍を見せた。

 見事な復帰戦だった。シュート3本で3得点。すべてをゴールに結びつけられるのも確かな技術があるからこそ。2回あったGKとの1対1はシュート技術もさることながら、ゴール前まで運ぶボールタッチは一つの乱れもなく、置きたい場所にボールを置ける正確性を持つ選手にしかできない芸当だった。

 中村充孝はサッカーをロジカルに考えられる選手である。横浜FMはリーグきっての戦術的チーム。ロジックにはロジックが生きた。

「ポジションを崩す、ということはどこかに必ずスペースが崩れている部分がある。あとは局面をパッと外せれば。動くチームはそれをあんまり得意としてないんで。(ボールを)取るシーンが俺にはなかったので、受け手としてどれだけ広いところを見つけて上げられるかは意識していた」

 ただ、ハットトリックを決めたのにヒーローは素直じゃなかった。

「うれしいはうれしいけど、前半で二つほどゴール前に入っていけないシーンがあった。そこは反省ですね」

 ヒーローインタビューを終えると、待ち構えるゴール裏のサポーターへの挨拶もそこそこにロッカーへ消えた。しかし、それは照れ隠し。ロッカーでの様子を伊藤翔が教えてくれた。

「もともと(中村)充孝はクオリティーを持った選手。そういう意味ではみんなも驚いてはいないけど、みんなが喜んでいた。アイツはスカしていたけど(笑)」

 いつも何かにイラつきながらプレーしていた若者は、いつの間にか角が取れ、後輩の面倒見がいい年長者になっていた。

「非常に迷惑をかけたというか、僕たちはピッチに出てナンボなんで。そこに居られなかった悔しさをぶつけるというのも違うけど、よりどん欲に、いろいろなところに対してやっていきたいと思います」

 ACLは終わってしまったが、残る3つのタイトルはこれから佳境を迎える。頼りになる存在が帰ってきた。

文・田中 滋

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