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19/08/23【Jリーグ】神の子のラストダンス。フェルナンド・ドーレス、最後の一戦へ

(写真:Getty Images)

 世界の名だたるビッグクラブで、スペイン代表で輝かしい功績を残し、鳥栖にやってきた一人の世界的名手がスパイクを脱ぐ。最後に用意された舞台は、かつてスペイン代表でともに戦ったアンドレス・イニエスタやダビド・ビジャらを擁する神戸との一戦。“神の子”フェルナンド・トーレス、万感のラストゲーム—。

 カウントダウンは、ついにゼロになる。6月23日、世界を驚かせた現役引退の発表から2カ月、神の子はプロサッカー選手としての自分に別れを告げる。引退発表後も次の試合に集中するというスタンスに変わりなかったが、終わりの日を位置づけたことで変化もあった。「本当はその日がこないでほしい」と偽らざる心境を吐露することもあった。

 昨年7月、大きな驚きとともに鳥栖へとやってきた。以来、鳥栖にさまざまなものをもたらしてきた。歓喜、熱狂、そして、プロフェッショナルとは何たるか。チームメートは世界最高峰を知る男の一挙手一投足に目を輝かせた。練習前の準備、練習後のケアを徹底する姿。試合翌日のリカバリー日にあえて筋肉に刺激を入れる独特の調整法。室内のトレーニング室やマッサージルームは、触発されたチームメートでいつもいっぱいになっていった。

 影響力はピッチ内にとどまらなかった。「本当に世界的なクラブを目指すなら英語は話せるようにならないとね」とクラブスタッフにアドバイスしたこともある。ただ、その次には「でも、僕が日本語を話せるようになるほうが早いかもね」と続けた。このエピソードが示すように、フェルナンド・トーレス自身が常に謙虚で勤勉だった。そして、何よりも日本をリスペクトしていた。積極的に日本文化に触れ、理解しようとした。輝かしいキャリアを築きながらそれをひけらかすこともなければ、うぬぼれることもなかった。親愛なる一人の人間としてトーレスは持てるすべてを鳥栖のために捧げてきた。

 ラストマッチの相手となる神戸には「特別」と話すアンドレス・イニエスタがいる。振り返れば、日本での最初のゴールは昨季の天皇杯4回戦・神戸戦、イニエスタの前で挙げたものだった。この瞬間を「素晴らしい思い出だった」と振り返る。現役最後の試合を神戸戦に選んだのもイニエスタやダビド・ビジャといった良きライバルであり、良きチームメートだった存在がある。

 そして、日本と鳥栖サポーターへの感謝も胸には去来する。

「日本でのプレー、そして鳥栖のサポーターは素晴らしかった。最後まで彼らと一緒に楽しみたい」

 神の子のラストダンス、鳥栖に世界中の視線が注がれる。             

文・杉山 文宣

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