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19/07/16【Jリーグ】トリコロールの左槍。遠藤渓太、待望の今季初得点

(写真:Getty Images)

 うれしかった、でもない。ホッとした、でもない。利き足ではない左足を振り抜き、地を這うようなボールがゴール右に突き刺さった瞬間、遠藤は「あ、入ったんだ」と素直に思った。待ち望んだ今季初ゴール。しかしながら、ゴール後のリアクションがチームメートよりもむしろ控え目に見えたのは彼自身の感情の起伏がさほど大きくない性格によるところもあるだろうが、もしかするとまだ実感が沸いていなかったのかもしれない。

 9日、居残りのシュート練習の最後に中央や右の位置から左足で低く鋭いシュートを決めた。そのあと、遊び感覚ではあるがクロスバー当てに挑戦した選手の中で唯一、成功させた。「そうでしたっけ?」と笑った遠藤だったが、試合前日、いつもとどこか違う雰囲気を漂わせていた。表情や口調にそれほどの変化はない。ただ、紡ぎ出す言葉にがいつもと少し、違った。

「入るときは入るし、(ホームで)サポーターの後押しをもらって決めたい。いつまでもエジガル(・ジュニオ)が決めてくれるわけではない。マルコス(・ジュニオール)だって、テルくん(仲川)だってそう。彼らのマークは厳しくなるから、自分が決められるようになれば彼らの負担も減るし、どんどん怖いチームになれる」。そして最後にこう言い残しながら去っていった。「待たれるのは俺のゴール」。

 これまでも決してパフォーマンスが悪かったわけではない。むしろドリブルのキレは増し、間接視野で捉える感覚をつかんだことで周囲が見えるようになり、判断力も上がった。それでも「自分が上のステージにいくために必要なのはゴール」と思い、毎試合「次こそは決める」とピッチに向かっていた。そして、自身18試合目で貴重な先制点を決めた。

「成功体験として大きく違ったと思う」と遠藤が話していたのは、攻撃を仕掛け続けながらも74分まで得点を奪えず、昨季までなら引き分けも、カウンター1発を受けての敗戦もあり得た前節の大分戦(1〇0)についてだった。ならばきっと、このゴールはプレー内容がよかった日々とは大きく違う成功体験だろう。苦しかった日々の末に手にした喜びは、少しの時間を経て実感へと変わるだろう。そしてその成功体験を手に、目指すは後半戦のゴール量産だ。

文・菊地 正典

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