リーガエスパニョーラリーガエスパニョーラ

19/05/29【ラ・リーガ】来季も注目!ラ・リーガ、2018-19シーズンに飛躍した男たち(守備的ポジション編)

(写真:Getty Images)

 前回に続く飛躍した男の後半は守備的な選手を紹介していこう。GKのMVPは文句なく最少失点のオブラク(アトレティコ・マドリー)だが、彼の力はすでに証明されている。最も飛躍したGKはダビド・ソリア。アトレティコ・マドリーに次ぎ失点が少ないヘタフェに所属する彼は、昨夏セビージャから移籍。最近セビージャが買い戻したが、それをヘタフェがさらに買い戻して来季の残留が決まった。190cmを超える大型で空中戦に強く、エリア外へ出る回数もその成功率もリーガ有数。キャッチでなく弾き出すのを得意とするスタイルには賛否両論あるが、結果を出している。

 次点はバツリーク(セビージャ)とパウ・ロペス(ベティス)。前者はオブラクに似て枠の下でプレーするスタイルで、上も下も俊敏性も安定性も合格点で穴が無い。冷静沈着の性格も似ている。後者は対照的に飛び出しと足技を得意とする。ボール出しの安定性はテア・シュテーゲン(バルセロナ)と双璧で、フル代表でもデビューした。ただしセーブでは何度かミスがあり、終盤は先発落ちすることもあった。

 CBではピケ(バルセロナ)がおそらくここ数年では最高のプレーを見せた。ボールを跳ね返す得意のプレーではもちろん、苦手なスピード勝負でも勝率を上げた。ベテランのさらなる飛躍は、代表引退で心身ともにクラブに集中できたことが原因だろう。同じバルセロナのレングレットも今季がベストの出来。定評があったボール出しではなく、良かったのは守備の強度が上がったこと。先を読んでボールをカットするプレーで、ピケとともに何度も、チームとしては守備力が落ちているバルセロナの絶対のピンチを救った。

 ディネェ(ヘタフェ)も一歩前進。高いジャンプでハイボールを跳ね返し、1対1ではスピードで抜かれない。マークに付かれると外すのに苦労する。この夏に噂のプレミアリーグから声が掛かるかもしれない。若手では23歳のマリオ・エルモソ(エスパニョール)。ウインガーからSB、そして今はCBに落ち着いた。俊足、巧みな足技とスペイン好みの選手で、フル代表デビューを果たす。ボールを触り過ぎてミスが出るのは、今後改善されていくだろう。

 SBでは、ウインガーから転身し抜群の運動量を見せたヘスス・ナバス(セビージャ)には、やはり「飛躍」の形容がふさわしい。攻撃参加時には往年のシュート性のセンタリングが健在。左ではジョルディ・アルバ(バルセロナ)に隠れてしまったが、ガジャ(バレンシア)が良かった。高速ドリブル、対角線ランからのシュートの得意技に加え、何たって守備力の向上が目覚ましい。攻め込まれてもしつこいマークだけで評価できる選手になった。将来性では21歳のペドロサ(エスパニョール)。第36節アトレティコ・マドリー戦では自陣から3人を抜いて80メートル近く独走する快足で、度肝を抜いた。

 守備的MFではアトレティコ・マドリーの2人、ロドリとトーマスが伸びた。ロドリは大きな体を使ったボールキープ力、適切で安全なパスでプレスをかわす能力、センターセプトされた後にすぐに奪い返す能力、しかも高さがあってセットプレーの攻守にも強い。多様性はすでにブスケッツを超えているのでは? トーマスは機動力と運動量と攻め上がりとミドルシュート。SBもCBもトップ下も何でもこなせる。細かな技術には難があるが、ダイナミックさで十分補って行ける。

 次点はマキシモビッチ(ヘタフェ)。日本人にしてみれば柴崎の定位置を奪った憎い男。地味だが、戦術理解力に優れ疲れを知らぬフィジカルで居るべき場所に必ず居る、監督にとっては頼りになる存在だ。テクニシャンの柴崎とは特徴が正反対で比較しようが無いが、堅守速攻で攻撃をFWに頼り中盤は守り重視というスタイルでは、マキシモビッチに軍配が上がるのは当然だった。

文・木村 浩嗣

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.