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19/03/25【日本代表】アピール合戦の中、異彩を放った小林祐希の“達観”

(写真:Getty Images)

 ボランチの位置から何度か前に出た。オフサイドにはなったが、決定的なスルーパスも通してみせた。ただ、それ以上にコロンビア戦での小林祐希は、シンプルだった。パスをさばく、必要以上に我を出すプレーはしない。攻める味方を、ただただ、下支えする。「ひさびさの代表。こだわり? ないですね。ボールを受けて、前に運んで。自分が活躍したい、自分が生きたいとは一切考えていない。若い選手はそれでいい。でも、俺は周りがどう生きるかを考えてプレーする」

 明らかに変わった。誰にも負けない情熱を隠しているかのようだ。「何が変わったのか、自分でも分からない」。本当は本人が一番分かっている。

 オランダへ渡った当初は、心の底からトップ下でプレーしたかった。その願いは、3シーズン目を戦ういまもかなっていない。誰よりも上昇志向は強い。だからこそ、ここまで長い期間現在の環境で戦っている自分も想像していなかった。実際に昨夏にはサンプドリア(イタリア)への移籍話があったが、頓挫した。

 思うままにはいかない現実。小林は徐々に達観していく。代表に選ばれていなかったことも「実力不足」と一言。シンプルなプレーを繰り返すのも、「それがサッカーの原点」と冷静だ。練習も試合も、サッカーに対して嘘なく努力し、向き合うだけ。至極シンプルな姿勢は、もはやそこにしか光明を見いだせないほど、小林が苦しんできたことの裏返しでもある。

 変わらない部分もある。「勝つためには要求する」と集団のためには自我を出すつもりだ。彼は以前こう語っていた。「俺は常に味方や相手の顔色や息遣いを見ながらプレーしたい。味方を助け、敵の裏を突くために、それこそが的確な判断につながる」。自分にも他人にも多感な選手。本気で支える側に回るいまの小林が、代表にもたらすものとは—。アピール合戦が続くチームの中で、異質な存在。自分が見つめる景色の先に光が射していると、彼は信じる。

文・西川 結城

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