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19/03/11【ACL】本田圭佑、“敵”として来日。ACLで広島と対戦

(写真:Getty Images)

 2007年12月。冬らしい曇天の島根・松江での一戦をいまも覚えている。天皇杯を戦っていた名古屋が格下のホンダFCに敗北。あっけなく大会から姿を消した。

 それはJリーガー・本田圭佑にとっても、最後の試合になった。数週間後、颯爽とオランダに渡り、嬉々とした表情で加入会見に臨んだ。3年間プレーした名古屋に向けた、湿っぽい挨拶などは皆無。むしろ、ここから始まる世界一への挑戦に胸を躍らせ、一瞬でも早く欧州へ駆け出していった姿が目に残っている。

 ギラついていた、あのころ。約11年後の今年3月。本田は、酸いも甘いも味わった選手として母国に帰ってきた。日本代表戦以外で、国内で戦うクラブレベルの試合は、あの天皇杯以来。黒髪だった風貌が金髪になって久しく、見慣れた姿で今回“来日”を果たした。

 プロ入りした05年から18年7月までの約14年間と、それ以降の約半年では、本田のサッカー選手としての生き方は変わった。

 かつては、真剣に世界の頂点を目指した。特に14年ブラジルW杯までは、その挑戦は極みを見ていた。そこで木っ端微塵に負け散るも、18年ロシアW杯までの4年間も熱を帯び続けた。掌を返したようによそから冷たい評価が飛んでも、ミランの10番という世界中から認められる立場になりながら、「その挑戦は失敗に終わった」ことを自ら受け入れたとしても、可能性が1%でもある限り、世界一への戦いを止めなかった。

 その歩みに、ロシアW杯で終止符を打った。ラウンド16のベルギー戦後に、代表を退く意思を明かした。「これだけ力を込めてきたW杯。自分が小さいころからね、このため、本当に僕はこのためだけにやってきたんですよ。究極論、プロになるのもヨーロッパで活躍するのも、僕はW杯のためにやってきたんです」

 世界一へのチャレンジが終結した現在。本田は新たな目標に、「東京五輪出場を目指す」と表明している。プレースタイルも変える作業をしている最中だ。欧州に渡り、トップ下として、アタッカーとしてゴールに直結する仕事を突き詰めてきた。いまは違う。「狙うはボランチとしての新境地」と、これまでよりも低い位置でパスをさばき、チームの攻撃の屋台骨を担おうとしている。メルボルンでのプレーも、かつての本田らしさとは異なる姿が、広島のピッチにはあるだろう。

 本田は「パスをさばくことは、本来の自分らしいプレー」と話す。つまり、それは名古屋時代を含め、若きころに理想としたパサーとしての原点を回帰させる作業でもある。もちろん、この経年期間で積み重ねてきた豊富なサッカー観を携えて—。

 自然体。力んだ表情ばかりだった時代もあったが、いまは表立った場所でも柔和な顔を見せることが多い。本田が、日本でプレーする。広島撃破を目指す豪州クラブの一員として、力を尽くす。いつだって観ている者に刺激を与える男。彼のたどってきた道をいま一度かみ締めながら、金狼のいまをここで見つめるのも面白い。

文・西川 結城

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