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19/01/23【アジアカップ】冨安健洋、謙虚なヒーローは守備でも大きな貢献

(写真:Getty Images)

 身長188cm。長身CBには似合わない言葉だった。

「僕自身、ヘディングはそんなに得意ではない。あまりタイミングが合わなかったり、どちらかというとジャンプせずに競るやり方をしてきた。空間認識力もあまりない。改善しないといけない」

 いつだって謙虚な言動が、印象的である。冨安健洋。チーム最年少ながら、吉田麻也とともに日本の最終ラインの中央に並び立つ。第2戦のオマーン戦。相手の高さを生かした攻撃に、後手の対応が目立った。自身も自覚している。「(酒井)宏樹くんや齊藤(俊秀)コーチからもアドバイスをもらった。生かさないといけない」と課題を殊勝に受け止めた。

 迎えたサウジアラビア戦。開始から日本は守勢に回った。チャンスが作れない中、20分、最初のCK。柴崎岳が蹴ったボールに頭で合わせたのは、冨安だった。苦手なヘディング、とは思えないほど痛快で打点の高いヘッド。大事なノックアウトステージ初戦で、喉から手が出るほど欲しかった先制点を挙げた。

 この日は、地上戦の連続となった。グラウンダーのパスを連続してくるサウジアラビアに対して、「先に先に対応することを常に意識していた。予測して動き出すところができたからこそ、裏を突かれる場面も少なかった」と冷静に試合を振り返った。

 何より、相手の縦パスに対して、敵のFWよりも先にボールに反応する守備が際立っていた。前に出る守備は、後ろのスペースを使われる怖さもある。ただ、思い切りよく、勇敢にボールをはじいていく。そのプレーには、隠されたものがあった。

「ミスを引きずらなくなった。1対1の守備も冷静に対応できるようになっている」。そう語るのは、所属クラブのシント・トロイデンの立石敬之CEO。「外国籍選手の中で、トミ(冨安)がディフェンスリーダー。あの若さにして責任感も強い」。謙虚で落ち着きある性格。そこにいまは、欧州での自信も身につきつつある。

 初ゴールにも喜びを爆発させることはない。「僕は守備でよさを出す選手」。CBは黒子の存在。この日のヒーローは、最年少にして高い献身と研鑽の意識で、厳しいアジアの戦いで成長している。

文・西川 結城

日本代表の生放送予定

AFC アジアカップUAE 2019 グループステージ

・ベトナム vs 日本
 1月24日(木) 夜10:00〜(生中継 NHK BS1、テレビ朝日系)

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