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18/12/19【ラ・リーガ】絶好調メッシがポゼッションのセルタを砕くか

(写真:Getty Images)

 この顔合わせは個人的にも非常に楽しみだ。

 リーガにはポゼッションサッカーを表明するチームが3つある。バルセロナとベティスとセルタである。このうちポゼッションサッカーの理論的裏付けである、ポジショナルプレー(最適のポジショニングによって、人ではなくボールを動かすことで攻撃し守備をするスタイル)の原理原則に忠実なのが、キーケ・セティエン率いるベティスと、ミゲル・カルドーゾ率いるセルタであり、最も遠いのがエルネスト・バルベルデ率いるバルセロナである。

 本家本元であるバルセロナがなぜ遠いのか? 一つは、指揮官の信念の問題だ。

 セティエンとカルドーゾはポゼッションサッカーをやりたくて監督になった。特にプロ選手経験のないカルドーゾは、理論ありきで台頭してきた戦術家である。

 対して、アスレティック・ビルバオ、エスパニョール、バレンシアらで結果を出してきたバルベルデは、就任先の戦力を最適化し最強のチームを作り上げるスペシャリストで、特定のスタイルへのこだわりはない。監督としてのスタンスが違うのである。

 もう一つは、戦力の問題。

 メッシ、ルイス・スアレス、デンベレ、コウチーニョがいればポゼッションで優位に立たなくても、ボールを動かして崩さなくても、個人あるいはワンツーなど少人数のコンビネーションプレーで打開できてしまう。それで勝てるのなら、まどろっこしくボールを繋ぐ必要はない。

 今年ベティスはレガネス戦で82.5%のグアルディオラ監督時代のバルセロナをも上回るボール支配率を記録した。この数字は08-09シーズンに記録を取りはじめて以来のリーグ最高記録である。前節レガネスと対戦したセルタのボール支配率は81%だった。対して、バルセロナの同じレガネス戦の支配率は78%である(もっとも、そのレガネス戦でベティスは1-0で勝利したものの、セルタはスコアレスドロー、バルセロナは1-2で敗れており、ポゼッションが万能の武器でないことを教えてくれてもいる。サッカーは奥が深い!)。

 今週末のバルセロナ対セルタでは、“ポゼッション原理主義者”のカルドーゾのセルタがボールを奪いに行き、勝利への近道であればスタイルにこだわらない“実務的な”バルベルデのバルセロナをボール支配率で上回る可能性もある、とみる。そうなればカルドーゾにとっては小さな勝利だが、肝心の勝ち点3ポイントの方はバルベルデの懐に入ることになるかもしれない。

 前節レバンテ戦(0-5)でハットトリックした絶好調メッシは戦術では止められない。セルタの変幻自在のフォーメーション——通常は[4-4-2]、ボール出し時は[3-4-3]、状況によって[4-3-3]や[4-2-3-1]——は見ていて面白いし、戦術の勉強になる。だが、ブスケッツが奪い返したボールがメッシに渡り、2人抜いたところでルイス・スアレスに渡してマークをはがし、リターンをフリーのメッシが叩き込む。そんな必殺カウンターは、数秒で数十分のボール支配を無駄にしてしまう。

 バルセロナでは、前節セメドが負傷したが復帰済みのセルジ・ロベルトが右SBに入るだろう。ウムティティが長期離脱中のところにフェルマーレンのケガが再発。苦しいDFラインだが、何とかなりそうだ。

 一方、セルタの方はケガ人ゼロ。セルタが目指す高度な戦術を楽しみながら、バルセロナの個人技、特にメッシに注目するというのが、この試合の正しい観戦法だ。

文・木村 浩嗣

スペイン・ラ・リーガの生放送予定

リーガエスパニョーラ第17節

・ベティス vs エイバル
 12月22日(土) 夜8:59〜(生中継 WOWOWライブ
・アトレティコ・マドリード vs エスパニョール
 12月22日(土) 深夜0:00〜(生中継 WOWOWライブ
・バルセロナ vs セルタ
 12月22日(土) 深夜2:20〜(生中継 WOWOWライブ
・レガネス vs セビージャ
 12月23日(日) 深夜0:00〜(生中継 WOWOWライブ
・ビジャレアル vs レアル・マドリード
 1月4日(金) 朝5:15〜(生中継 WOWOWライブ

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