2018 FIFAワールドカップ ロシア

18/06/08【日本代表】「理想だけでは勝てない」。長友佑都、4年前の二の舞にならないために

(写真:Getty Images)

 西野朗監督が就任し、何が最も変化したのか。選手に笑顔が増えたのは間違いない。積極的な意見交換も増えた。そして、プレー面ではボールを保持する意識が向上した。ハリルジャパン時代の速攻がメインではない攻撃。ただし、その傾向は一つの不安感も煽る。

 4年前のブラジルW杯。日本は世界における自分たちのレベルや立ち位置を冷静に鑑みることなく、攻撃的に相手に向かっていき、砕け散った。その蹴散らされ方と言ったら“半端なかった”。ボールをもって攻めることでしか強みを見いだせなかった日本は、コートジボワールに逆転され、ギリシャの堅守を最後まで破れず、そしてコロンビアには返り討ちにあった。

 あの衝撃を経験した選手たちも当時を省みて、ロシアまでの4年間は姿勢を変えた。長友佑都がこう振り返る。「ブラジルW杯では理想ばかりを追い求めてしまった。僕はそれを経験して、理想だけでは勝てないと分かった」。

 ただ、日本サッカーのDNAには、間違いなくパススタイルが存在する。西野監督も今回、本田圭佑をトップ下に復帰させ、宇佐美貴史を重用するなど、目指す攻撃は彼らのプレーを合算すれば自ずと見える。

 痛い思いをした長友にも、攻撃マインドのDNAがある。「メンツ的に見ても、ある程度ポゼッションをしたいところはある。そこはいま、練習で戦術を詰めている」。やはり日本人選手は、魅力的な攻撃ができるかもしれないという予感を前にすると、逡巡してしまう。すると、すぐに長友はそんな思いを打ち消すかのように、こう言い聞かせた。「でも、W杯はそんなに甘くない。とにかく自分たちがヘタ、強くないことを認めた上で、一人ひとりが100%を出し切る。それだけ」。

 西野監督がトライする攻撃。はたして、軟弱だった4年前の二の舞となるのか、危惧を越えるような破壊力を見せるのか。長友だけではない。どの選手もまだ、何も確信など得られていない。

文・西川 結城

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