2018 FIFAワールドカップ ロシア

18/06/07【日本代表】「俺が」から「みんな」へ。本田圭佑の変化、今度こそ勝つために

(写真:Getty Images)

 本田圭佑の表情が、毎日明るい。以前は公の場では、どこか孤高の人のような空気を醸し出していたが、いまはカメラや記者を前にしても、周囲を巻き込むかのように多くのコミュニケーションを取り、笑う顔が見える。

 4年前のブラジルW杯。本田は本気で優勝を目標に掲げ、ひたすら理想を追ってプレーし、そして無残にも敗れ去った。「この時代に、本田圭佑がいるということを信じよう」。そんな一言が表すように、あの当時は「俺がチームを勝たせる」と鼻息荒く意気込み、肩肘張っては戦っている印象だった。

 その本田が、ロシアW杯を直前に控えたいま、心境を語った。

「本番までの時間は確かに短くて足りない。でもやるべきことをやっていこうと。まずは一戦一戦、何らかの形は出していきたい。その上で、勝ちにいく」

 新たに西野朗監督体制になり、本田はポジションもトップ下に回帰した。ブラジルW杯後からのこの4年。クラブでも代表でも、常に彼の定位置は不慣れなサイドだった。大一番を前にして、日本人指揮官は背番号4を本来いるべき場所に戻した。

「誰と組むかによって、攻め方は変わってくる。今は(トップ下が)俺か(香川)真司みたいな選択になっているけど、俺と真司の共存もある」

 急ピッチでチーム作りが行われている西野ジャパン。選手からの意見も多分に取り入れる指揮官のやり方は、短期間ながらも選手に以前よりも自主性を芽生えさせ、ピッチ内外で喧々諤々の「戦い方議論」が連日繰り広げられている。

 その中心には、本田がいるーー。そう投げかけられた質問に対し、本田は即座にこう返した。「いや、みんな。みんなです」

 明るい振る舞い、その心は本田がこの大会に挑むにあたって、選手全員での共闘を訴えかけているからにほかならない。一人で力んでいたかつての姿は、もうない。全員、一致団結。それなくして日本が世界を相手に勝てる術はないと、本田は考える。

「いまの状況が難しくないとは思わないし、良いとも言わない。それは結果次第なので。ただ、以前よりも日本にはクオリティーのある選手がいる。(海外組など)経験のある選手がいるというのも事実。だから時間はないけど、いろいろなパターンの戦い方の用意ができるという事実がある」

 4年前の本田が、仲間を信じていなかったわけではない。しかし、いまの彼は、集団になって戦うことの大切さをより理解している。本番の地、ロシア。かつて約4年間プレーした場所に凱旋する男。束となって、塊となっていざ向かおうとする日本、その芯部に本田圭佑がいる。

文・西川 結城

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