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（写真：Getty Images）

　6月に開催されるロシアワールドカップ。その晴れ舞台で、自らの力を証明しようと燃える新鋭たちがいる。今季、ジョゼップ・グアルディオラ監督の下、マンチェスター・シティで驚異的なパフォーマンスを見せたドイツ代表FWリロイ・サネ（22歳）もその一人だ。

　元セネガル代表の父を持ち、母親は新体操のメダリストという家系に生まれたサネは、ドイツのシャルケでプロキャリアをスタート。15-16シーズンに年間８ゴールを記録すると、その才能に惚れ込んだシティが獲得に動き、昨季からプレミアリーグでプレーしている。

　昨季はイングランド代表FWラヒーム・スターリングら豪華な攻撃陣の中でポジション争いに勝てず、ベンチを暖める時間も多かったが、今季は3トップの左ウイングとして定位置を確保。一瞬のスピードで相手を置き去りにする独特のドリブルを見せれば、的確なシュート技術でゴールを奪い、正確無比なラストパスでアシストを量産した。シーズンを通して32試合10得点15アシストという記録は堂々たる結果で、チームの歴史的な優勝に大きく貢献したと言っていいだろう。

　またシーズン終盤にはイングランド国内でプレーする23歳以下の選手を対象としたPFA年間最優秀若手選手賞を獲得。上位チームとの対戦でも結果を残す強靭なメンタルやプレッシャーをモノともしないプレースタイルで、プレミアリーグでプレーする若手の中でも特筆した結果を残している。

　来月に迫るロシアワールドカップでは、ドイツ代表の一員としてピッチに立つことになるサネ。近年ドイツ代表は若手の押し上げがチームを強固にしてきた。ロシアの舞台でサネが輝いた時、新たなヒーローとしてドイツ代表に君臨しているはずだ。

文・林 遼平