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18/05/08【W杯注目選手 #14】ラキティッチの美徳。無敗続けるバルサの陰のMVP

(写真:Getty Images)

 前夜バルセロナ対レアル・マドリーのクラシコでは、メッシ、ロナウド、ルイス・スアレス、クロース、マルセロを始めとするロシアで輝くだろうスターたちが勢ぞろいした。クラブレベルでは敵と味方に分かれているがクロアチア代表では良き同僚の2人、ルカ・モドリッチ、イバン・ラキティッチも例外ではない。今回は、私が2冠バルセロナの“陰のMVP”だと思っているラキティッチについて書こう。

 なぜ、陰のMVPなのか? それは彼がすべてのフォーメーションで要求されるベストに近いプレーを維持してきたからだ。

 ネイマールが抜け新監督バルベルデがやって来たバルセロナにとって今季は過渡期だった。新たなチームで新たな指揮官による新たな戦い方を模索する時期だったのだ。その予想通りの低パフォーマンスでスタート(スペインスーパーカップでレアル・マドリーに完敗)したシーズンだったが、尻上がりに調子を上げたチームはリーグとコパ・デルレイの2冠を獲得、無敗のままリーグを終えようとしている。正直言ってプレーレベルが高かったわけでも美しかったわけでもなかったが、負けないチームであるバルベルデのバルセロナの象徴がラキティッチだった。

 1得点4アシストという数字はまったく輝かしいものではないが(バルセロナ在籍4年目で最低)、[4-3-3]の2列目右サイド、[4-3-3]の1ボランチ、[4-4-2]の2列目右サイド、[4-4-2]のダブルボランチ右のいずれでもレギュラーとなった万能ぶりは素晴らしいの一言。ネイマール不在への回答を要求されたバルベルデは、選手の並びを変え顔ぶれを変えて試行錯誤を続けた。そのプロセスでデンベレ、デニス・スアレス、アンドレ・ゴメス、アレイクス・ビダル、パウリーニョ、アルカセル、コウティーニョらが抜擢されては消えていったが、ラキティッチの名は最後まで残った。チーム改革を託された新監督にとってどこでどんな役割で使っても計算できる便利屋の存在が、いかにありがたかったことだろうか。

 1ボランチでは中央のポジションを維持し全員のサポート役になり、2ボランチではそれに加えてタイミング良く攻撃参加をし、2列目右サイドで使われた時に、パスの繋ぎ役をこなしつつ右サイドからのセンタリングを上げ右SBの突破をサポート。特に、チームにとって重要だったのは、2トップの右でプレーすることが多かった今季のメッシの背後をカバーして攻撃に専念させたことだ。
こうしたチーム状況に応じて変わる役割を誰よりも高いレベルでこなせたのは、非常に高いインテリジェンスとセンスのお陰であることは疑いない。だが、今季のラキティッチが彼の100%だとは思わない。なにせ、本来の彼はバリバリの攻撃的MFであり、トップ下で起用されたビージャ時代の最後のシーズン(13-14)には、15得点、18アシスト(リーガでは12得点、12アシスト)を記録しているのだ。

 攻撃タレントを捨てて地味な裏方の仕事に徹していられるのは、彼のもう一つの美徳、高いプロ意識があるからだ。チームのためにすべてを捧げた姿を目にしたから、敵となった今もセビージャのファンから喝采を浴び続けている。今週末のレバンテ戦を含むリーガ残り試合でも飄々とした風貌で安定したパフォーマンスを見せてくれるだろう。代表ではトップ下のモドリッチとボランチのラキティッチはしばしばポジションを入れ替えるから、ロシアでは攻撃的MFとしての顔も見られるかもしれない。

文・木村 博嗣

ロシアW杯関連生放送予定※時間はキックオフ時間

グループD 第1戦

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 6月16日(土) 夜10:00〜(生中継 NHK総合)
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 6月16日(月) 深夜4:00〜(生中継 日本テレビ)

グループD 第2戦

・アルゼンチン vs クロアチア
 6月21日(木) 深夜3:00〜(生中継 日本テレビ)
・ナイジェリア vs アイスランド
 6月22日(金) 深夜0:00〜(生中継 NHK総合)

グループD 第3戦

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 6月26日(火) 深夜3:00〜(生中継 NHK総合)
・アイスランド vs クロアチア
 6月26日(火) 深夜3:00〜(生中継 日本テレビ) 

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