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18/04/30【日本代表 コラム】ハリル来日会見。垣間見えたコミュニケーション不足

(写真:Getty Images)

 開始から40分が過ぎたあたりで、一度司会者から“独演会”を制止させられたヴァイッド・ハリルホジッチ氏。むしろ急かされたそのあとに、核心的な発言が飛び出した。

 3月のマリ戦後、ハリルホジッチ氏と当時の西野朗技術委員長、そして手倉森誠コーチの3人が車に同乗し、パリで行われたフランス対コロンビアの視察に出向いた。日本が合宿するベルギー・リエージュからパリまでは往復で5時間を超えるロングドライブ。そこで西野氏からこんなことを投げかけられた。

「『一人の選手があまりいい状態ではない。不満を言いかけているので、注意したほうがいいかもしれない』と言われました。私はそのことは分かっていた。『あとから解決できます』と言ったのです」。西野氏が鳴らした警鐘。「彼とのコミュニケーションは少なかった」とハリルホジッチ氏は語ったが、だからこそ、よほど深刻な事態が起こっていたと推測することができる。文化的な差異もあるのかもしれないが、ハリルホジッチ氏と西野氏とのコミュニケーション不足の大きさが浮き彫りになったエピソードだった。

 ハリルホジッチ氏の話は昨年8月のW杯アジア最終予選・豪州戦時にも及び、「試合に出られなかったことで、二人の選手ががっかりしていた。彼らはそれまで何試合も出場していた選手。(今回の解任につながった)不満を漏らしている選手は、2名でしょうか」と明かした。そして自身の経験も踏まえてこう語った。「W杯23人のメンバーを選ぶことは、どこの国でもたくさんの軋轢が起こる」と。
今回の解任をコミュニケーション不足ではなく、強いて理由を挙げるなら、主力選手との齟齬が理由だと考えているハリルホジッチ氏。もちろん、その言葉だけを一方的に鵜呑みにすることはできない。ただ、解任の背後でどんなことがうごめいていたか、その一端がここに知らされたのも事実。
ハリルホジッチ氏とJFA、双方の言い分には食い違う点もあり、真実はいまだ闇の中だ。

文・西川 結城

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