2018 FIFAワールドカップ ロシア

18/04/23【W杯注目選手 #11】困ったらクロース。Rマドリーとドイツ代表を支える最強の黒子

(写真:Getty Images)

 レアル・マドリーでもドイツ代表でも絶対的なレギュラーでありながら、クロースの凄さを実感するのは難しい。

 リーガのデータを見てみよう。4ゴールはMFとしては悪くはないが、パウリーニョ(バルセロナ)の8、パレホ(バレンシア)とイジャラメンディの7と比べると見劣りする。6アシストは13番目でありながらパレホとグアルダード(ベティス)の7よりは少ない。ボール回復数129はちょうど100位。定評あるパス本数でも8位で、ブスケッツ(バルセロナ)、バネガ(セビージャ)、ロドリ(ビジャレアル)、パレホ、ラキティッチ(バルセロナ)、イジャラメンディの方が上。つまり、わかりやすく算出可能な物差しでは、クロースは傑出していないのだ。

 これにはポジションも影響している。バイエルン時代にはトップ下を任された彼もレアル・マドリーでは[4-3-3]の左インサイドMF、ドイツ代表では[4-2-3-1]の左ボランチとプレーゾーンを下げている。実際のプレーを見ると、ほとんどの時間帯でクロースは味方ボールの後ろでのサポートに回り、後方からのボール出し担当のためCBのすぐ前(DFであるSBよりも後ろ)でプレーしている。
ミスをしない正確性が売りだが、一般の目はリスキーなスルーパスを出すMF(レアル・マドリーでは相棒のモドリッチ、ドイツ代表ではケディラ)の方にどうしても魅かれてしまう。安全性の高いパスを黙々と出すクロースは、パスミスを犯し重大なピンチを招いた時にしか記憶されない損な役割なのだ。しかも性格は極めて温厚でファイトをむき出しにするタイプではないし、髪型は七三分けで入れ墨もピアスも入れていない――。

 要は目立たないのだが、チームメイトの信頼は厚い。レアル・マドリーでもドイツ代表でも困った時、迷った時はクロースを探す、が鉄則になっている。彼に預けておけば絶対にボールを失わないからだ。加えて、正確なサイドチェンジで一気に状況を打開してくれる期待もある。左サイドでマルセロが下げたボールを半身の態勢で受けて右足を一閃、右ウイングの位置へ上がったカルバハルへ送る50m近いロングパスは、ハイライトと言えるプレーだ。

 CK、FKもレアル・マドリーでもドイツ代表でもキッカーは彼。レアル・マドリーのセットプレー得点数がリーグナンバー1なのは、クロースのお陰である。曲がり落ちるキックは滞空時間が長くタイミングが合わせやすい上に、セルヒオ・ラモスやバラン、カセミロ、ベイルの頭にピンポイントでヒットする。

 次節の対戦相手レガネスは自陣に籠って守り、カウンターで攻撃するタイプのチーム。レアル・マドリーのボールポゼッションは上がり、クロースのボールタッチは増え、敵陣でスペースを与えられないからサイドチェンジが頻繁になり、ゴール前の人の壁を崩すためにセットプレーの重要性が増す。この男が脚光を浴びやすい条件が整っている。

文・木村 浩嗣

ロシアW杯関連生放送予定※時間はキックオフ時間

グループF 第1戦

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 6月17日(日) 深夜0:00〜(生中継 NHK総合)
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 6月18日(月) 夜9:00〜(生中継 NHK総合)

グループF 第2戦

・韓国 vs メキシコ
 6月23日(土) 深夜0:00〜(生中継 テレビ朝日)
・ドイツ vs スウェーデン
 6月23日(土) 深夜3:00〜(生中継 TBSテレビ)

グループF 第3戦

・メキシコ vs スウェーデン
 6月27日(水) 夜11:00〜(生中継 TBSテレビ)
・韓国 vs ドイツ
 6月27日(水) 夜11:00〜(生中継 NHK総合) 

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