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17/12/19【日本代表 コラム】日韓戦大敗。“本家”に通用しなかったデュエルと速攻

(写真:Getty Images)

 敗北のエクスキューズがないわけではない。例えば、韓国も日本同様に多くの海外組を欠いたが、アジアでプレーする選手たちは招集されている。普段欧州組がそろった際も、主力でプレーする選手の多くがこの試合も出場した。日本よりも欧州組への依存度が低い韓国。反対に現状のベストメンバーでは井手口陽介しか参戦していない日本は、組織や連係がほぼ皆無だった。

 しかし、それが敗北の主因ではない。ハリルジャパンが前面に押し出すデュエルと速攻。韓国が相手になると、それが逆に弱点となる現象が起きていたのである。

 シン・テヨン監督は90年代に代表で活躍したMFだった。いまでは韓国もショートパスを多用するサッカーに変貌しつつあるが、当時はロングボールとフィジカルを武器にしたスタイルが十八番。そしてその戦い方が、特に有効だった相手が日本だった。

 以前から日本は、韓国のパワーサッカーを苦手にした。空中戦の連続や球際の争いに敗れ、こぼれ球も拾われる。過去の日韓戦で目にしたこの展開。これこそが、今回のシン・テヨン監督の狙いでもあった。

 序盤、韓国は196cmのFWキム・シンウクや両サイドの選手へのロングボールを多用した。最近の韓国にはあまり見られない戦術。日本は後方に人員をかけて対応したが、肝心のデュエルで勝てない。さらにこぼれ球を拾われると、今度は現代の韓国らしいテクニックを駆使され、二次、三次攻撃と徐々に圧倒された。

 過去の日本であれば、パスワークや連係で対抗した。しかし、いまのチームにはそれがない。個のフィジカルやスピードで勝負する大味な攻撃は、最後まで“本家”の韓国には通用しなかった。「すべての面で韓国が勝っていた」。指揮官がサラリと吐いた一言は、日本人にとっては悔恨極まりない言葉。ただ皮肉にも、事実だった。フィジカルやパワー任せの戦い方だけでは韓国に勝てない。ましてや、そんなハリルジャパンがロシアW杯で勝つ未来も、現時点では到底描けない。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督にとっては単なる一敗かもしれない。ただ、古くから日韓戦を見てきたわれわれ日本人のほうが、この敗戦が示唆する本質を理解できているのかもしれない。

文・西川 結城

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