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16/09/05【W杯最終予選プレビュー】正念場のタイ戦、ハリルホジッチ監督はどう戦うか

ハリルの2発に沈んだハリルジャパン(写真:Getty Images)

指揮官の狙いが表れるボランチの選手起用

 早くも正念場を迎えた。日本代表は1日に行われたワールドカップアジア最終予選の初戦でUAE代表に1-2で敗れた。98年のフランス大会予選以降、アジア最終予選の初戦で黒星が付いたチームは、本大会に出場したことがない。日本はこのジンクスを打ち破らなければならなくなった。

 何よりも結果が求められる最終予選の初戦で、代表キャップなしの大島を先発に大抜擢し、66分にFW岡崎慎司をベンチに下げたヴァイッド・ハリルホジッチ監督。その采配には多くの疑問符がつけられている。タイ代表との試合結果次第で、監督解任の動きが加速する可能性は十分だ。

 UAE戦では、11分にMF本田圭佑のヘディングシュートで先制しながらも、その後にセットプレーから2ゴールを許して逆転負けを喫した。それぞれの失点場面では、中盤の底で先発出場したMF大島僚太、MF長谷部誠がボールを失い、ドリブルを仕掛けてきた相手をファウルで止めるしかできなかった。

 アジア最終予選では、日本を相手にどの国もカウンターを狙ってくる。そして、日本のCBを務めているDF吉田麻也とDF森重真人は、ともにスピードに優れているわけではない。そのため、彼らは最終ラインを低く設定することが多く、ボールを失ってから相手に加速する余裕を与えてしまう。CBのスピードのなさは修正できる問題ではなく、この短期間で布陣や戦い方をいじるのも難しいだろう。となれば、相手のカウンターにつながるような不用意なミスをなくしていくしかない。

 ミスの許されないタイ戦に向けて、ハリルホジッチ監督は、どのような選手を起用するだろうか。UAE戦から先発に変更がありそうなのは、ボランチだ。ハリルホジッチ監督は、代表100キャップを数え、チームのキャプテンも務める長谷部に対して絶大な信頼を寄せている。UAE戦のパフォーマンスは決して高くなかったが、長谷部を代えることは考えにくい。

 変更があるとすれば、大島だろう。また、彼を代えるかどうかによって、日本がどのような狙いを持ってタイ戦に臨んでいるかも見えてくるはずだ。現時点で、大島に代わって先発出場すると見られているのは、左股関節に違和感を抱え、UAE戦の出場を回避したMF柏木陽介だ。大島と柏木は、ともにボールを動かす能力に長けている。UAE戦では大島が不慣れなこともあり、攻撃が中央偏重になりがちだった。しかし、タイもUAE同様に中央の守備を固めてくることが確実。体格的にも日本より小柄な選手が多いだけに、左右に揺さぶりをかけて、サイドから守備を崩したい。攻撃面を強調し、得点を狙っていくのであれば、柏木、大島が長谷部とコンビを組むだろう。

 逆に守備的な戦い方をするのであれば、ボール奪取力の高いMF山口蛍、MF遠藤航を起用する手もある。タイも前線にはスピードに乗ったドリブルを得意とする選手を擁しているだけに、相手の攻撃の芽をつぶせる山口らの起用は理に適っている。初戦に敗れたことで、より慎重に「まずは守備」とハリルホジッチ監督が考えるなら、山口や遠藤が先発し、長谷部が高めの位置でプレーするはずだ。

 日本は初戦でセットプレー2発に沈んだが、タイにも強烈なキックを持つ選手がいる。左サイドバックのDFテーラトンだ。昨年のAFCチャンピオンズリーグで、ガンバ大阪を相手にFKとCKからゴールを決めたことで記憶している人も多いだろう。距離がある位置からでも強烈なシュートをゴールに蹴り込んでくるだけに、自陣でのファウルは最少限にとどめたい。また、テーラトンの「悪魔の左足」と形容されるキックは、流れの中でも脅威になる。そのクロスを受けることになるストライカーが、背番号10を付けるFWティーラシンだ。タイの初戦となったサウジアラビア戦(×0-1)でも、彼らのコンビから好機をつくっている。「タイのメッシ」ことチャナティップのドリブルとティーラシンの決定力は警戒が必要だ。

 タイでは、サッカーの人気が爆発的に高まっている。この試合のチケットも1時間以内で完売しており、6万5000人収容のラジャマンガラスタジアムはフルハウスになることが確実だ。タイのサポーターは、自国選手に対して、激しい守備をしてきた選手に強烈な野次やブーイングを飛ばしてくるが、そうした雰囲気に飲まれることなく戦い、勝ち点3を持ち帰らなければならない。

≪文=河合拓≫

日本代表関連生放送予定

2018 FIFA ワールドカップロシア アジア最終予選

・日本 vs タイ
 9月6日(火) 夜8:55〜夜11:55(生中継 NHK BS1、テレビ朝日系)

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