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16/08/26【フットサル日本代表】14名中12名がU-19の若いフットサル日本代表が、タイ遠征で得た手応え

タイ遠征を行ったフットサル日本代表、10名がフル代表デビューを飾る(写真:河合拓)

タイ遠征でW杯に出場する3カ国と対戦

 フットサル日本代表は8月17日から24日まで、タイ遠征を行った。今回の日本代表メンバー14名のうち、普段から日本代表に招集されているのは、FP皆本晃(府中アスレティックFC)とFP仁部屋和弘(バサジィ大分)の2選手のみ。残りの12選手は、来年5月に第1回大会が開催されるAFC U-20フットサル選手権に出場できる19歳以下の選手で構成されていた。これまでほとんど強化ができていなかったこの年代の選手たちに、経験を積ませることが、今遠征の最大のテーマだった。

 この遠征では、タイランド5s2016という国際親善大会に参加した。この大会には、日本の他にタイ代表、イラン代表、カザフスタン代表という3カ国が出場。いずれも9月にコロンビアで開催されるフットサルW杯2016に出場する強豪国だ。前回のW杯では16強に進出していた日本代表も、本来はW杯に向けた準備を進めているはずだった。しかし、今年2月にウズベキスタンで開催されたW杯予選を兼ねたAFCフットサル選手権2016で上位5チームに入ることができず、W杯の出場を逃していた。そのため、今大会も若手に経験を積ませる場にしたのだった。
W杯へチームをつくり直しているタイと2-2で引き分けた(写真:河合拓)

タイと引き分けるも、カザフスタンには大敗

 フットサル日本代表は、大会初戦でタイ代表と対戦した。タイ代表は前述のAFCフットサル選手権2016で3位となり、W杯の出場権を獲得。その後、日本代表のW杯予選敗退を受けて、監督を退任したミゲル・ロドリゴ氏を新監督に迎えて、チームの強化を進めている。

 そうした意味でも注目を集めた一戦だったが、経験の浅い選手が多い日本は、前半3分に先制点を許してしまう。しかし、それ以降はGK岩永汰紀(バサジィ大分)を中心に粘り強い守備でタイの攻撃を凌いでいった。ピッチ内外で若手の手本となるべく、今回のチームに招集されていた皆本、仁部屋の両選手は、守備から攻撃まで幅広く若手をカバーし、徐々に流れを日本に引き寄せる。彼らに呼応するように、FP山田慈英(デウソン神戸)、FP松原友博(名古屋オーシャンズサテライト)が、サイドからドリブルを仕掛けて行った。

 前半のうちに追いつくことができなかった日本だが、後半2分には山田のパスを受けた仁部屋が得意のドリブルからシュートを決めて同点に追いつく。攻勢になった日本だったが、訪れた多くのチャンスを生かせないと、一瞬の隙から再びタイにゴールを許し、リードされてしまった。残り時間が2分を切っていたが、日本は同点に追いつくべく猛攻を仕掛ける。そして残り28秒、U-19世代のリーダー的存在であるFP清水和也(フウガドールすみだ)が同点ゴールを決め、2-2の引き分けに持ち込んだ。
カザフスタンを相手に大量失点を喫し、仁部屋も思わずこの表情(写真:河合拓)

カザフスタンに力の差を見せつけられる

 格上の相手に、しかも敵地で引き分けた若い日本代表は、第2戦のカザフスタン代表戦で、世界トップレベルの力を見せつけられる。カザフスタンは、今年開催された欧州選手権で3位になった。2013年にもカザフスタンのクラブチームであるカリアト・アルマトイが、サッカーの欧州チャンピオンズリーグに相当するUEFAフットサルカップで初優勝を飾っており、近年の飛躍は大きな注目を集め、W杯での躍進も期待されている。

 そんな相手に対して、日本は試合開始から、わずか49秒で先制点を奪われる。体格が日本の選手より2周り近く大きく、世界トップレベルのフットサルでの経験も豊富な彼らに対し、日本代表は終始、劣勢の試合展開を強いられた。安易なミスやセットプレーからの守備のミスを突かれて、0-9の完敗を喫した。

3試合を通じて積極的なプレーを見せた山田慈英(写真:河合拓)

アジア王者イランに後半は勝ち越す

 この敗戦を糧にしたい日本は、2日後にアジア王者のイラン代表と対戦した。これまでは全選手を起用していた鈴木隆二監督も、この試合は使う選手、使わない選手を明確に線引きし、日本を代表するチームとして、ただ経験を積ませるだけではなく、勝利を目指して戦った。

 最前線からプレッシングを仕掛けた日本は、イランに攻撃の組み立てを許さずに、試合を優勢に進めて行く。しかし、第1戦同様にチャンスで決めきることができない。逆にイランは、日本のミスを逃さずに少ないチャンスで確実にゴールネットを揺らしていく。先制された日本は、動きが委縮してしまう。結局、前半だけで0-3と、点差を付けられてしまった。

 ハーフタイムには、鈴木監督が選手たちに檄を飛ばして、選手たちを鼓舞した。後半7分にも失点した日本だったが、集中を切らさずにイランに挑み続けた。後半10分にはPKを獲得すると、これを仁部屋が決める。その1分後にも皆本からのパスから清水がゴールを決めて、2点差に詰め寄った。多くのチャンスをつくり、後半は2-1と勝ち越した日本だったが、これ以上はゴールを決めることができずに試合は2-4のまま終了した。 

終盤にはパワープレーも仕掛けたが、追いつくことはできなかった(写真:河合拓)

U-19日本代表のこれから

 今大会、日本は1分2敗で最下位となった。日本代表としては不本意な結果ではあるが、若い選手たちが得た経験は今後につながるはずだ。何が通用して、何が通用しなかったのか。日本人と異なるシュートレンジを持つ相手に対して、どのように守るべきか。体格差の異なり、フィジカルの強い選手たちと、どう戦えばいいのか。そして、何より自分たちが力を出し切ることができれば、W杯への準備を進めている格上を相手とも戦えるポテンシャルがあると確認できたことは、大きな自信になる。

 U-19日本代表は今後、来年5月に開催されるU-20アジア選手権に向けて活動を増やしていく予定だという。本大会への参加表明国が多くなれば、年内にはU-20アジア選手権の予選も開催されることになる。特にピッチ内では、皆本、仁部屋に頼る面も多かっただけに、彼らの抜ける穴を埋められる存在の台頭も必要だ。

《文=河合拓》

日本代表の生放送予定

2018 FIFA ワールドカップロシア アジア最終予選

・日本 vs  UAE
 9月1日(木) 夜6:30〜夜9:50(生中継 NHK BS 1)

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