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16/08/23【宇佐美貴史 開幕直前コラム】2度目のブンデス挑戦へ、監督の信頼を得られるか

アウクスブルクに加入した宇佐美(写真:Getty Images)

開幕戦出場へ、アピールを続ける

 FW宇佐美貴史のブンデス2度目の挑戦がいよいよ始まろうとしている。アウクスブルクの開幕戦は、27日(土)のホームでのボルフスブルク戦。ボルフスブルクは昨季リーグ8位に低迷し、欧州カップ戦の出場権を逃した。今季はFWシュールレ、クルーゼといった主力選手の移籍や、MFドラクスラー流出の噂など戦力ダウンの心配がされていたが、ベシュクタシュ(トルコ)からドイツ代表FWゴメスを補強してみせた。アウクスブルクにとっては難しい相手になるだろう。

 7月の上旬にアウクスブルクにやってきた宇佐美は、ここまで順調に準備を進めてきた。チーム合流2日目に行われた練習試合では、後半途中から急遽ピッチに入るといきなりゴールを挙げて見せた。シーズン中の日本からやってきたこともあってコンディションがチームの中で最も良かったことを差し引いても、今後の活躍を十分に期待させる出来だった。

 宇佐美は今のアウクスブルクの攻撃陣にはないものを持っている選手だ。経営規模や選手年俸総額は下から数えた方が早いアウクスブルクは、昨季までチームを率いたバインツィール監督のもと手堅いサッカーで結果を残してきた。攻撃陣も競り合いの強さやスピード、高さといったフィジカル面で秀でた選手ばかり。つまり、足元の技術に秀でた宇佐美は、チームで最もクリエイティブな選手なのだ。ただし、そのプレースタイルゆえに周囲の選手との連携は非常に重要で、まだなかなかその持ち味を発揮できずにいる。

 7月末に行われた2部ニュルンベルクとの練習試合でも、ボールを受けようと動き出してもチームメイトとの呼吸が合わず、結局後ろ向きでボールを受けることが多くなってしまいボールを失う機会が目立った。せっかく動き出しで相手のマークを外すことができても、そのタイミングで味方からパスが出てこなければ再び相手にマークに疲れてしまう。うまく前を向いた状態でボールを持つことができれば、積極的にドリブルで切り込んでシュートを放つなど可能性を感じさせただけに、これからはチームメイトに自分を理解してもらい、いかに良い状態でボールを持つことができるかが課題になってくるだろう。

 先週末にはリーグ開幕に先駆けてドイツ杯が始まり、アウクスブルクは5部ラーベンスブルクに2-0で勝利し、2回戦へと駒を進めた。この試合で宇佐美はメンバー入りを果たしたものの、出場機会は訪れなかった。この試合に出場した2列目の選手は、カイウビ、ボバディラ、ク・ジャチョルで、後者2人はゴールを決めて開幕先発へアピールした。シャルケなどでプレーした元トルコ代表MFハリト・アルティントップも出場時間はほぼなく、レギュラー争いは決して簡単なものではない。宇佐美が開幕戦のピッチに立つ可能性はあるのだろうか。

 この試合での選手起用からシュースター監督の意図が伺える。両ウイングに配置したのはフィジカルが強く、球際で強さを発揮するカイウビとボバディラだ。トップ下では守備力が高く、献身的なプレーが持ち味のク・ジャチョルが出場した。この起用には、手堅く戦いたい監督の意図が表れている。チームの完成度が低いこの時期は、地道でもより確実に勝ち点を獲得していきたい。たとえそのプレーに可能性を感じさせていたとしても、宇佐美はまだ計算できる選手になれていないのだろう。宇佐美が監督からの強い信頼を勝ち取れていなければ、チームの戦いに余裕が出てくるまで我慢を強いられることになるかもしれない。

《文=山口裕平》

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ブンデスリーガ開幕節

・ドルトムント vs マインツ
 8月27日(土) 夜10:24〜深夜0:53(生中継 J SPORTS 2

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