日本代表・Jリーグ日本代表・Jリーグ

16/08/11【リオ五輪レポート】日本はスウェーデンに勝利も、グループステージで敗退

矢島のゴールでスウェーデンに勝利した日本だったが…(写真:Getty Images)

 イメージ通りに戦えたスウェーデン戦

 手倉森ジャパンの冒険は、サルバドールの地で終えた。リオデジャネイロ五輪男子サッカー1次リーグ、日本対スウェーデンはMF矢島慎也(岡山)の決勝点で1-0の勝利を挙げたものの、コロンビアが勝利したことによりB組3位が確定し、2大会連続の決勝トーナメント進出はならなかった。

 スウェーデン戦に臨むにあたり、手倉森誠監督はコロンビア戦ではスタメンを外れたMF大島僚太(川崎F)、MF南野拓実(ザルツブルク)、DF亀川諒史(福岡)の3人を先発起用。亀川が左サイドバックを務める4-4-2システムで臨んだ。

 試合は序盤から両チームが様子を見合う展開となり、シュートまで持ち込めない状況が続いた。堅い展開となる中でスウェーデンは190センチの長身FWアストリト・アイダレビッチ(エレブルー)を目がけてのハイボールを中心に組み立ててきたが、DF塩谷司(広島)とDF植田直通(鹿島)のセンターバックコンビ、そしてボランチの大島と遠藤航(浦和)が連動し、セカンドボールもしぶとく拾った

 前半終了の段階でシュートは日本が6本、スウェーデンが3本と。日本も31分に興梠慎三(浦和)が放ったミドル以外、ゴールマウスを襲うシーンは数少なかった。

 一方、同時刻にキックオフされたコロンビア対ナイジェリアは、前半4分にハーフウェーラインやや左でのパスカットを起点にダイナミックなサイドチェンジが贈られる。するとラインの整っていないナイジェリア最終ラインの裏をFWグティエレスが抜け出すと、相手GKの動きを見極めてあっさりと先制に成功した。

 後半開始直後には中盤での細かなパスワークから大島、MF中島翔哉(FC東京)とつなぎ、ゴール前に丁寧なラストパスを送ったが浅野、興梠ともに合わせられなかった。

 そして65分、日本がようやく均衡を破る。左サイドをえぐった大島のラストパスを勢いよく飛び込んだ矢島が合わせて先制に成功した。その直後には塩谷のヘディングシュートがクロスバーを叩くなど、スウェーデンを一気に攻め立てる場面もあった。そのチャンスで決めきれなかったこともあり、終盤ラスト10分はスウェーデンのロングボール放り込みを耐える展開となったが、しぶとく守り抜いてタイムアップの笛を聞き、他会場の結果にゆだねられた。

 しかし、コロンビアは後半にPKによる追加点で2-0とし、そのままのスコアで試合終了。日本は勝ち点3を挙げながらも大会を去る悔しい結末に終わった。

 この日の戦いぶりについて言及すると、3試合で一番“イメージ通りの展開”だったと言える。大会前から「耐えて勝つ」ことをシミュレーションしていた指揮官だったが、なかなかパスをつなぎ切れない状況を後半途中まで我慢しつつも、少ないチャンスを仕留めて先制点を奪うゲームプランが3試合で初めて実現。先制後の小気味よい攻めはスウェーデンをノックアウトこそできなかったものの、ボディーブローのように体力を奪った。

 また高さで優るスウェーデンの終盤のパワープレーに対しても、マークの徹底してクロスを跳ね返す辛抱強さは、チームのベースとして築き上げてきたものだった。それだけにナイジェリア戦、コロンビア戦でのバタついた時間帯は惜しまれるものだったと言えよう。

 選手個人で見ると、アーセナルに今夏加入するFW浅野拓磨のスピードを筆頭に、中島、矢島、大島といった中盤3人の技術、遠藤のバランス調整能力など、それぞれが持ち味を発揮する場面はあった。

 しかしアジアなら相手をいなしたり、つぶせていたはずの局面でも、さらに身体を入れられることでて、次のプレーへとスムーズに移行できないケースも目立った。果たしてこのギャップを日々の試合、トレーニングで埋めていけるのか。それこそがリオ世代の選手たちにとって今後に向けて、解決していくべき“宿題”となったのは確かだ。

《文=茂野聡士》

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.