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16/02/24【ブンデス注目クラブ】28歳の新監督を迎え、残留を目指すホッフェンハイム


ホッフェンハイムを率いるナーゲルスマン新監督(写真:Getty Images)

史上最年少の新監督

 ブンデスリーガでここから終盤にかけて注目していきたいクラブはホッフェンハイムだ。昨季クラブ史上最高となる8位でシーズンを終え、惜しくも欧州カップ戦への出場権を逃した彼らは、今季不調で残留争いに巻き込まれている。第22節を終えた時点で自動降格圏17位に沈み、残留圏内の15位とは4ポイント離されている状況だ。

 では、なぜそんな残留争い真っただ中のクラブを注目すべきなのか? それは、ホッフェンハイムで新時代の旗手となる若き指揮官が誕生しようとしているからだ。その若き監督の名はユリアン・ナーゲルスマン。2月11日に28歳でホッフェンハイムの新監督に就任し、ブンデスリーガ史上最年少の監督となった青年だ。もともと彼は来季からのトップチーム監督就任が内定していたが、フーブ・ステーフェンス前監督が健康上の理由で退任することになったため、前倒しでチームを率いることになったのだ。

 彼には選手としての華々しい経歴はない。現在は2部に所属する1860ミュンヘンの下部組織で育ったものの、なかなか芽が出ずアウクスブルクのセカンドチームで膝の怪我により21歳で現役引退を余儀なくされてしまう。

 アウクスブルクのセカンドチームで指導者としてのキャリアをスタートさせたナーゲルスマンだったが、当時チームを率いていたのは現在ドルトムントを率いるトーマス・トゥヘル監督で、ナーゲルスマンは次の対戦相手のスカウティングの役割を与えられていた。

 ナーゲルスマン自身はバイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督にインスピレーションを受けたと語っているが、「トゥヘル監督からも多くを学んだ」と現在ブンデスで優勝を争う2大監督から大きな影響を受けているのだ。

 自身が掲げる理想のチームには、ビジャレアル、バルセロナ、アーセナルといった攻撃的なパスサッカーを展開するチームが並ぶが、彼のスタイルからは現在ライプツィヒを率い、かつてホッフェンハイムでセンセーションを起こしたラングニック監督のプレッシングサッカーも思い起こさせる。

 その後、1860ミュンヘン、ホッフェンハイムで順調に指導者としての経験を積んでいったナーゲルスマンは、2013年の7月にホッフェンハイムのU-19チームの監督に就任する。翌シーズンにはチームをU-19の国内チャンピオンに導き、知る人ぞ知る指導者に成長していた。


新監督就任後1勝1分けのホッフェンハイム(写真:Getty Images)

攻撃サッカーで復権なるか

 近年ドイツでは、マインツなどのように下部組織で指導していた自前の指導者をトップチームの監督に任命するケースが増えており、ナーゲルスマンも同じケースだと言える。ホッフェンハイムと言えば世界有数のソフトウェア企業であるSAPとの関係が有名。同社が開発した分析機器はドイツ代表がブラジルW杯で使用したことで一躍有名となったが、SAP社からの支援を受けるホッフェンハイムはその他にも様々なトレーニング機器を取り入れている。

 その恩恵はホッフェンハイムの下部組織も受けることができ、ナーゲルマンはこうした最新の機器を使った指導を行っていた。最新のテクノロジーを活かしたサッカーを目指すホッフェンハイムにとって、そんなナーゲルスマンはうってつけの存在であり、クラブのこれからを体現する人物なのである。

 たった2試合ではあるが、ナーゲルスマン就任後ホッフェンハイムは1勝1分と調子を上げている。初勝利を飾ったマインツ戦では3-2で打ち合いを制し、自らの持ち味とも言える攻撃的なサッカーを展開してみせた。

 もちろん、監督交代によって一時的にチームの調子が上向いている可能性もあるため今後の動きを見守る必要がある。ただ、ナーゲルスマンには12-13シーズンに助監督として劇的な残留を果たした経験もある。それは最終節でドルトムントに勝って入れ替え戦に滑り込み、入れ替え戦を制しての残留という劇的なものであった。

 チームを残留に導くことができるかというのは、新人監督にとっては分かりやすい指標になる。サッカー界に新たな流れを生むことになるかもしれない青年監督から目が離せない。

《文=山口裕平》

ドイツ・ブンデスリーガ週末の生放送予定

ブンデスリーガ第23節

・ケルン vs ヘルタ(大迫勇也、原口元気)
 2月27日(土) 朝4:20〜朝7:00(生中継 フジテレビNEXT
・ヴォルフスブルク vs バイエルン・ミュンヘン
 2月27日(土) 夜11:24〜深夜2:00(生中継 J SPORTS 3
・ドルトムント vs ホッフェンハイム(香川真司)
 2月28日(日) 深夜1:20〜深夜4:00(生中継 フジテレビNEXT
・マインツ vs レヴァークーゼン(武藤嘉紀)
 2月28日(日) 深夜1:24〜朝4:00(生中継 J SPORTS 4
・フランクフルト vs シャルケ(長谷部誠、内田篤人)
 2月28日(日) 深夜3:20〜朝6:00(生中継 フジテレビONE

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