メキシコ・その他

15/12/21【クラブW杯】圧倒的な力を見せつけた決勝戦マッチレポート

 

優勝セレモニーでトロフィーを掲げるバルセロナイレブン
(写真:Getty Images)

全世界待望の好カード

 FIFAクラブワールドカップ2015、決勝は南米王者リバープレート対欧州王者FCバルセロナという、多くのファンにとって待望のカードとなった。FCバルセロナの実力と実績は誰もが知るところだが、リバープレートもコパ・リベルタドーレスに加えてコパ・スダメリカーナでも2014年大会を制し、2015年大会では4強入りを果たすなど、南米大陸の大会で確固たる実績を残している。クラブ世界一を決めるにふさわしい対戦が実現したと言えるだろう。

 リバープレートは準決勝でJリーグ王者のサンフレッチェ広島を下し、決勝に駒を進めた。アルゼンチンから1万人を超えるサポーターが来日しており、この日もスタンドの一角を占拠して熱狂的な応援を繰り広げていた。

 FCバルセロナはルイス・スアレスのハットトリックで広州恒大との準決勝を制して決勝進出を果たしたが、ネイマールがケガで、そしてリオネル・メッシが直前に体調不良を訴えてこの試合を欠場した。決勝に向けて両者のコンディションが懸念されたが、無事に回復し、ネイマール、メッシともに先発出場。ルイス・スアレスと組む強力スリートップ、通称「MSN」が初めて日本のファンにお披露目された。

リバープレートを圧倒した"MSN"

 全世界が注目する中、いよいよキックオフ。立ち上がりはリバープレートの選手たちが持ち前の激しさを発揮してFCバルセロナのパスワークを寸断し、サイドからの素早い攻撃でチャンスをうかがった。FCバルセロナも11分にアンドレス・イニエスタの鋭いスルーパスからメッシが、24分にはネイマールのクロスからダニエウ・アウヴェスが、それぞれ決定機を迎えたが、リバープレートの守護神マルセロ・バルベロが立ちはだかってゴールを死守する。その後も激しい攻防が続く中、先制点はやはりこの男が奪った。36分、ネイマールのキープからメッシが中央で繋ぎ、右サイドへ展開。ダニエウ・アウヴェスがクロスを入れ、ネイマールがヘッドで落としたところに再びメッシ。胸トラップから素早く左足アウトサイドで合わせ、難なくゴールネットを揺らしてみせた。

先制点を決めたメッシ(写真:Getty Images)

 前半アディショナルタイムには、メッシが右サイドをドリブルで突破し、鋭いスルーパスを供給。走り込んだスアレスのシュートは惜しくもゴールを外れたが、これは後半の華麗なゴールショーへの布石でしかなかった。

 リバープレートは後半開始からルチョ・ゴンサレスとゴンサロ・マルティネスを投入して同点を狙いに行ったが、開始早々にFCバルセロナがあっさりと突き放す。49分、中盤でのボールの奪い合いからアンドレス・イニエスタがこぼれ球を拾い、ショートパスを受けたセルヒオ・ブスケツがダイレクトで浮き球のスルーパスを放つ。これに走り込んだスアレスがGKの股間を抜いて2点目を奪った。

 リバープレートのマルセロ・ガジャルド監督は56分にセバスティアン・ドリウッシを投入。早くも3枚の交代カードすべてを切って選手たちに望みを託したが、ここからはFCバルセロナの選手たちが圧倒的な力の差を見せつけ始める。55分にはネイマールが華麗なドリブルで4人をかわしながらペナルティーエリアに侵入。57分にはイヴァン・ラキティッチからメッシ、ネイマールと繋ぎ、リターンを受けたメッシが惜しいシュートを放つ。

 そして68分、「MSN」が絡んだ見事なゴールが生まれた。スアレスのポストプレーからメッシがドリブルで中央へと切れ込み、相手DFを引きつけたところで左サイドのネイマールに展開。ネイマールが一瞬のキープから柔らかいクロスを入れると、そこにスアレスが完璧なタイミングで走り込み、ヘッドで丁寧に合わせてゴールに流し込んだ。試合後の記者会見でスアレスが「メッシとネイマールがいたことは心強かったし、仲良くいいプレーができた」と語ったとおり、3人が見せる抜群のコンビネーションはリバープレートを圧倒し、大観衆のどよめきを誘い続けた。

 大会通算5得点のスアレス(写真:Getty Images)

 リバープレートも南米王者の意地を見せて最後まで攻撃的な姿勢を貫き、77分にはルーカス・アラリオのヘディングシュートがGKクラウディオ・ブラボを襲う。84分にはマルティネスが左足で強烈なミドルシュートを放つが、ブラボの手をかすめたボールは右のポストを直撃し、惜しくも得点ならず。そのままタイムアップを迎え、30で勝利したFCバルセロナが通算3度目となるクラブ世界一に輝いた。

 FCバルセロナらしさを見せつけての勝利に、ルイス・エンリケ監督も「とてもハッピーだ」と満足げな表情。「今日の我々なら、どこが相手でも圧倒的な勝利を収めていただろう」と、まさに完勝だったことをアピールした。なお、大会MVPとなるゴールデンボール賞は、大会史上最多となる通算5ゴールを挙げて得点王にも輝いたスアレスが受賞。シルバーボール賞はメッシ、ブロンズボール賞はイニエスタと、FCバルセロナ勢が個人タイトルも総ナメにしている。

《文:池田敏明》

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.