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15/11/20【日本代表】再認識された山口蛍の長所と生きる場所


カンボジア戦の後半に持ち味を発揮した(写真=Getty Images)


苦しんだカンボジア戦の前半

 シンガポール戦でベンチを温めたMF山口蛍にとって、カンボジア戦はあらためて能力を証明する格好の場になるはずだった。しかし、遠藤航とボランチでコンビを組んだ前半は攻撃を機能させられないどころか、中途半端なミスからカウンターを受けて後手を踏み、相手のアタッカーに対して最終ラインをさらしてしまうシーンも目立った。

 もともと攻撃的MFとしてセレッソ大阪のトップ昇格を果たした選手であり、決して攻撃センスが無いわけではない。ただ、DF出身の遠藤とともに組み立てを主導するのは守備を固めてくる相手に対しては酷だったと言わざるをえない。バヒド・ハリルホジッチがシンガポール戦から8人のスタメンを変更したのは1つの英断だが、ボランチの1人は前半からMF柏木陽介を起用するべきだったかもしれない。

 山口はシンガポール戦の柏木のパフォーマンスを受けて質問されると「陽介くんの特徴がまさしくあそこにあると思うし、あれを僕に求められても自分の特徴はあれじゃない」と前置きしながら、そうした役割もこなしていく必要があることを語った。本質的に自分がゲームメーカーではないことを認めながら、同時に身に付けるべき要素でもあることを自覚しているのだ。

 ただし、低い位置から相手のディフェンスを観察し、ゴール前の流れをイメージして長短のパスを振り分けるというのは意識してもそう簡単にできる芸当ではない。カンボジア戦、その柏木が後半から投入されると攻撃のリズムが一変した。攻撃に幅と深さが加わり、中盤からのパスコースが生まれたことで山口もワイドな展開や縦に付けるパスを効果的に繰り出すことができる様になった。

柏木と並ぶことで生きた持ち味

 57分には攻守の切り替わりの中でDFサム・ウン・ピドーにアフター気味に競りかかりイエローカードをもらったが、最終ラインをプロテクトしながら柏木の組み立てをサポートし、前が空いたところで柏木からパスを受ければ縦にボールを入れてチャンスの起点になった。セカンドボールから放った強烈なミドルシュートは相手GKセレイラットのビッグセーブに阻まれ、75分には高精度のロングパスで交代出場のMF本田圭佑をゴール前に飛び込ませ、惜しいチャンスを演出した。

「陽介くんが入ることで、彼は裏へのボールを出すのがうまいこともあるし、自分がそれはあんまり得意じゃないから、その代わりにサイドに振ったり、そういうプレーでうまく役割分担できていたと思います」

 そう語る山口がスタートから遠藤とボランチのコンビを組むことは当面ないかもしれない。相手がより強くなり、攻守の切り替わりから速攻がより生きる状況になれば有効なオプションになりうるが、やはり柏木や今回はメンバーから外れたMF柴崎岳などゲームメーカーをサポートしながら、攻守のバランスを取る役割がメインになっていくのではないか。

 そうなると山口のライバルは遠藤であり、さらに言えばキャプテンのMF長谷部誠になってくる。ハリルホジッチが強く求める“デュエル(球際の強さや激しさを表すフランス語)”をしっかりと発揮し、攻守のサポートをこなしながら機を見てチャンスに絡んでいく。そうした山口の特徴を伸ばしていくべきであるが、今回のカンボジア戦で自身のストロングポイントを再認識したことで、試合での振る舞いによりメリハリが付いてくるかもしれない。

 ただし、現在セレッソ大阪がJ2での戦いを強いられている状況において、山口の場合はしばしば指摘される様にプレー環境の問題もある。「僕は(クラブに)帰ってからの方が忙しいので、そこに切り替えていかないとダメだと思います」と語る山口。クラブはJ1昇格に向けて苦しい状況にあるが、まずはそこを乗り越え、さらなる成長のための環境を作っていきたいところだ。

《文=河治良幸》

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