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15/11/05【セリエ】マンチーニの魔法は続くか?

指揮官の采配が的中し、勝利したインテル(写真=Getty Images)
 「魔法使いマンチーニ」、驚きの采配でローマ撃破
 ハロウィンの夜は、インテルのロベルト・マンチーニ監督に魔法をかけたのだろうか。ローマとの大一番を驚きの采配を見せたカリスマ指揮官は、見事な勝利を収めた。
 
 リーグ最少失点のインテルが、リーグ最多得点で首位のローマを迎え撃つとあり、大きな注目を集めた一戦は、1-0でインテルが制した。インテルは今季6度目のウノゼロ(1-0)。得点力不足は相変わらずだが、堅守を最大の武器とする戦い方を徹底している。
 
 誰もが驚いたのが、マンチーニ監督が選んだスタメンだ。エースのFWマウロ・イカルディをベンチに置き、両サイドバックには今季2度目の先発となるDF長友佑都と、シーズン初出場のDFダニーロ・ダンブロージオを選択。メンバー表を見た人が、目を疑うようなチョイスだった。
 
 しかし、この人選が大ヒット。FWジェルヴィーニョやFWモハメド・サラーといったローマのスピードスターたちをシャットアウトした。さらに攻撃では、守備を仕事とするMFガリー・メデルのミドルシュートという予想外の形から決勝点を挙げたのだ。
 
 イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は翌日、一面で「魔法使いマンチーニ」という見出しをつけた。インテルの勝利はまさに、魔法がかけられたかのようだったのだ。
 
 一方、MFミラレム・ピアニッチが退場になり、次節のダービーで出場停止になるなど、ローマにとっては大きな痛手となる黒星だった。チームワークでの貢献度が高いものの、いまだ1ゴールにとどまっているFWエディン・ジェコも不安要素だ。
 

勝利を重ねるミランで苦しい立場の本田(写真=Getty Images)
ミランは快勝で3連勝、完全復活のきっかけに?
 敵地オリンピコに乗り込んだミランも、ラツィオを相手に3-1と勝利した。3連勝で5位タイまで順位を上げたシニシャ・ミハイロビッチ監督のチームは、完全復活のきっかけを手にしたかもしれない。
 
 ミランはジェノア時代の前線への飛び出しが戻ってきたMFアンドレア・ベルトラッチのゴールで先制。DFアレックス負傷のアクシデントも、交代出場したDFフィリップ・メクセスが今季ファーストタッチを追加点とし、逆に勢いへとつなげた。最後はエース、FWカルロス・バッカが今季6点目。バッカはチームの総得点(15)の40%をたたき出している。決定率43%と、まさにゴールゲッターにふさわしい活躍だ。
 
 守備でも1失点こそしたものの、ミランは見事な集中力を見せ、ホームで今季公式戦全勝と圧倒的な強さを誇っていたラツィオの攻撃を封じた。これほどの快勝は、今季初めてだろう。ミラン復活のターニングポイントになる試合だったという見方をするメディアがあるのも納得だ。
 

ダービーを制し、今季初の連勝を目指す(写真=Getty Images)
 
ピルロの再来? 劇的弾でダービー制したユーベ
 ミッドウィークのサッスオーロ戦で敗れ、合宿まで敢行したユベントスは、ドラマチックなゴールでトリノとのダービーマッチを制した。
 
 MFポール・ポグバのゴールで先制しながら追いつかれたユーベは、終了間際まで勝ち越しせず。マッシミリアーノ・アッレグリ監督がFWパウロ・ディバラを下げ、DFアレックス・サンドロを投入したときには、勝ち点3を諦めるかのような采配に、スタンドからブーイングも飛んだ。
 
 だが、結果的にはこれが当たった。93分、サンドロのクロスから、MFフアン・クアドラードが決勝点。ユーベは昨年のホームでのダービーも、93分にMFアンドレア・ピルロのゴールで勝利している。クアドラードをピルロの再来と言うのは無理があるが、いずれにしても2年連続での劇的勝利だった。
 
ナポリが小休止、フィオレンティーナは圧勝で首位返り咲き
 北の3強が勝利した一方で、南の強豪にとっては苦々しい週末となった。ローマとラツィオが敗れたのに加え、ナポリもジェノアと敵地で0-0と引き分けている。

 チャンスがなかったわけではない。だが、得点王を争うFWゴンサロ・イグアインも今節は不発。ナポリは公式戦8試合ぶりの無得点。リーグでの連勝も5で止まった。

 一方で、フィオレンティーナはフロジノーネを相手にホームで4-1と快勝。FWニコラ・カリニッチやMFヨシップ・イリチッチら、前線のタレントを温存したにもかかわらず、前半だけで4ゴールを奪う圧勝で、インテルと並ぶ首位に返り咲いている。
 
 
期待に応えられていないローマのジェコ(写真=Getty Images)
ローマ勢はダービーで巻き返しを目指す
 次節の大一番は、ローマ対ラツィオのダービーマッチだ。前節の黒星を払しょくできるのは、どちらのチームだろうか。
 
 首位から陥落したローマは、ピアニッチの出場停止という大きな穴を埋められるかが鍵を握る。MFダニエレ・デ・ロッシやMFセイドゥ・ケイタの復帰に期待したいところだ。インテル戦で封じられた攻撃陣は、リーグ最多得点のプライドを見せようと意気込んでいるに違いない。
 
 両チームともミッドウィークに欧州の舞台で戦うが、有利なのはローマだ。ダービーまで1日多く休めるうえに、チャンピオンズリーグはホームでの一戦。一方、ラツィオはヨーロッパリーグでノルウェー遠征を控えており、コンディション調整では不利な立場にある。
 
 だが、よく言われるように、ダービーに有利不利はない。3連敗だけは避けたいラツィオは、今季ドローが一度もなく、あくまで勝ち点3を狙ってくるはずだ。
 

長友は継続して出場機会を与えてもらえるか(写真=Getty Images)
 
ミラノ勢は真価問われる一戦に
 首位タイに復帰したインテルは、敵地でトリノと対戦する。前節でユーベとのダービーを落としたトリノは、5試合白星から遠ざかっているだけに、インテルはローマ戦の勝利を無駄にしないためにも勝利が求められる。

 注目はやはり、マンチーニ監督の人選だ。ローマ戦のメンバーチョイスは、1試合だけのサプライズだったのか。イカルディはスタメンの座を取り戻せるのだろうか。このように不透明な状況にし、相手チームを惑わすことこそ、マンチーニ監督の真の狙いだったのかもしれない。

 一方、ミランはホームでアタランタと対戦。前節、監督を交代したばかりのボローニャに0-3と完敗しているアタランタが相手だけに、インターナショナルウィーク明けにユヴェントス戦を控えるミランとしては、ホーム3連勝とリーグ戦4連勝を飾っておきたいところだ。

 だが、不安要素も少なくない。今季のここまでのベストプレーヤーの一人であるMFジャコモ・ボナベントゥーラを出場停止で欠き、ベルトラッチも負傷で不在。4-3-3にフォーメーションを変えてから4試合負けなしと結果が出ているが、メンバーを入れ替えても継続性を出せるかが注目される。
 
 初の連勝を目指すユベントス
 ユーベは敵地でエンポリとの一戦を迎える。格下相手とはいえ、今季まだリーグ戦での連勝がないユーベだけに、重要な試合だ。

 3日のチャンピオンズリーグで再び引き分けるなど、コンスタントに結果を出し続けることができていないユーベだが、朗報はDFシュテファン・リヒトシュタイナーが復帰したことだ。4バックを採用するうえで欠かせない選手だけに、アッレグリ監督も喜んでいるだろう。

 ここでサッスオーロ戦の二の舞を演じるようでは、5連覇はもちろんのこと、チャンピオンズリーグ出場権獲得も厳しくなる。勝ち点3が必須の一戦だ。
《文=J:COMサッカー編集部》

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