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15/09/24「時すでに遅し」にあらず。役者がそろった川崎F、可能性がある限り

第10節で先発に復帰した小林悠。チームはそこから2連勝を飾っている(写真=Getty Images)

狙うは“年間3位”

 前々節・甲府戦は3-1、前節・名古屋戦は6-1。風間監督率いる川崎フロンターレが、ここにきて持ち前の攻撃力を取り戻している。

 昨季までの1ステージ制であれば、「時すでに遅し」だったかもしれない。年間順位で首位に立つ浦和は『61』、5位の川崎Fは『47』。残り6試合で勝ち点差『14』をひっくり返せというのは“ミッション・インポッシブル”だ。

 しかし、J1は今季から2ステージ制になり、リーグ戦のあとにタイトルを争うチャンピオンシップが待っている。出場枠は5つ。年間順位で3位までに入れば、その枠の一つを押さえられる。現在の年間順位3位はFC東京で勝ち点『53』、川崎Fとの差は『6』。2ndステージの順位で現在8位の川崎Fが現実的に狙うはここしかない。ここしかないが、可能性は十分にある。

 

前節・名古屋戦、圧巻のエンターテインメント

 6-1で勝利した前節の名古屋戦は、風間フロンターレの真骨頂ともいうべき圧巻のエンターテインメントだった。

 ゴールラッシュの口火を切ったのは小林悠。シュート自体は相手のDFに当たってコースを変えながらゴールに吸い込まれる幸運なものだったが、特筆すべきはシュートの前のトラップのうまさである。相手ペナルティーエリア内でフワリと浮き上がったセカンドボールに対し、落下地点に素早く入ると、キックフェイントを入れながら切れ味鋭いターンでマークを振り切った。まるでシーズン序盤のコンディションがいいときのような鋭いプレーだったが、川崎Fの11番にとってはまさにいまがシーズンの序盤と言っていいのかもしれない。

 

11番の復帰とともに

 常に全力でプレーする小林はもともとけがが少なくない選手だが、今季もけがに泣いた。1st第3節・モンテディオ山形戦で右ハムストリング肉離れを患い全治4週間、1st第6節・ベガルタ仙台戦で復帰したものの、1st第10節・サンフレッチェ広島戦のウォーミングアップ中に右ひざの痛みを訴えて欠場し、今度は半月板損傷で全治6週間の診断を受けた。小林はここで「人生5度目」という手術を決断する。これは5月上旬のことで、7月中旬に開幕する2ndステージ序盤での復活を目指した。実際に6月の下旬には早くも練習に合流し、2nd第1節の途中出場で復帰を果たした。しかし、その約1週間後の練習で右足ふくらはぎの違和感を訴え、再び別メニュー調整を強いられる。

 けがをした場合、意識的にせよ、無意識にせよ、復帰後も負傷箇所をかばってほかの場所に負担がかかって新たに痛めてしまうケースは少なくない。チームのためにと復帰を急ぐ勤勉な選手にそういうことが多いが、小林もそうだったのかもしれない。

 そして小林が今季3度目の離脱を強いられている間に、夏の連戦によって次々と試合は消化されていった。彼が先発に復帰するまでの7試合で、チームは2勝1分4敗と負け越し。2nd第7節から2nd第9節にかけては3連敗と苦境に陥っていた。彼が先発に戻ったのが2nd第10節、チームが連敗から脱するきっかけとなり、連勝の始まりとなったのも第10節。しかもただの連勝ではない。川崎Fらしい攻撃的なサッカーを展開しての連勝である。また、そもそも今季の川崎Fがここまで主役に立てなかった要因の一つは、小林が離脱している期間が長かったこと。そういう見方もできるだろう。

 

川崎Fにパワーをもたらす男

 もう一人、小林悠と時を同じくして2nd第10節で復活を果たした男がいる。田坂祐介だ。

 今年の6月、3年ぶりに川崎Fに復帰した田坂は、 2ndステージから選手登録。2nd第3節で先発の座を奪い取った。しかし、2nd第5節終了後、8月1日の練習で右足ふくらはぎ肉離れを負い、別メニューを経て2nd第10節でピッチに戻って来た。

 約3年間ドイツで経験を積んだ田坂は、質実剛健なプレーで川崎Fの攻撃にさらなるパワーをもたらし、夏に移籍した元10番レナトの穴を、異なるエッセンスで埋めている。前節の名古屋戦、小林の先制点に続いて追加点を奪ったのが田坂だったが、バイタルエリアであわてずに相手をかわして打ち込んだミドルシュートは、高い精度の中に重みも感じさせる一撃だった。「いまのメンバーが一番しっくりきている」と風間監督。田坂に小林、そして名古屋戦でハットトリックを決めた大久保嘉人とともに形成するトライアングルが、川崎Fのラストスパートの原動力となる。

 

今節は好調・新潟とのバトル

 逆転でのチャンピオンシップ出場権獲得を狙う川崎F。今週末はアルビレックス新潟と対戦する。新潟は年間順位14位と下位に沈んでいるが、ナビスコカップでクラブ史上初のベスト4進出を決め、前節はアウェイで神戸に逆転勝利。チームは現在、いい状態にある。川崎Fにとってあなどれない相手であるのは間違いなく、だからこそ好ゲームの予感も強く漂っている。今節の注目カードの一つとして推しておきたい。

《文・J:comサッカー編集部》

Jリーグ週末以降の生放送予定

・J1 2ndステージ 第12節 モンテディオ山形 vs ベガルタ仙台
 9月26日(土) 昼1:50〜昼5:00(生中継 スカイ・A sports+ HD)
・J1 2ndステージ 第12節 サガン鳥栖 vs ヴァンフォーレ甲府
 9月26日(土) 昼2:50〜昼5:30(生中継 J SPORTS 4 HD
・J1 2ndステージ 第12節 湘南ベルマーレ vs 横浜F・マリノス
 9月26日(土) 昼3:00〜昼5:00(生中継 BS-TBS)
・J1 2ndステージ 第12節 清水エスパルス vs サンフレッチェ広島
 9月26日(土) 昼3:00〜昼5:00(生中継 静岡放送)
・J1 2ndステージ 第12節 アルビレックス新潟 vs 川崎フロンターレ
 9月26日(土) 夜7:00〜夜9:00(生中継 NHK BS1)
・J1 2ndステージ 第12節 名古屋グランパス vs ヴィッセル神戸
 9月26日(土) 夜7:20〜夜10:30(生中継 スカイ・A sports+ HD)

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