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15/09/12週刊 武藤嘉紀:ほろ苦い後味を残した“9月シリーズ”

悔しさが残った9月の代表戦2試合。武藤はさらなる成長を誓って再びドイツへ
(写真=Getty Images)

高まっていた武藤への期待

 ホームでの2試合目となった8月29日のブンデスリーガ第3節・ハノーファー戦で、ドイツ移籍後初ゴールを含む2得点を挙げ、武藤嘉紀は日本代表の試合のために帰国。代表でも昨年10月以来のゴールに期待は高まっていた。しかし結局、カンボジア戦とアフガニスタン戦を通じてゴールネットを一度も揺らすことができなかった。「代表では久しく結果を残せていない。今回はゴールに絡むプレーにこだわりたい」と本人は話していたが、またしてもホロ苦い後味が残ってしまった。

 

「決め切らないといけなかった」

 代表に合流した合宿2日目の8月31日、武藤を多くの記者陣が囲んでいた。

「戦う姿勢やファイティングスピリットというところは、すでにドイツでも結構揉まれていると思う。そこで日本代表に良い勢いを与えられるようなプレーをしたい」

 そんな武藤の好調さを、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も生かそうとした。9月3日のカンボジア戦、日本の3トップには本田圭佑、岡崎慎司といった実力者とともに、武藤が先発で並び立ったのだった。

 試合開始から積極的な姿勢が際立っていた。4分にペナルティーエリア内でいきなりチャンスを迎えると、16分には左サイドからドリブルで中央に切り込んで右足のシュート。ボールにうまくヒットしなかったが、得意の形でフィニッシュまで持ち込んでみせた。

 そして42分、今度やチャンスメーカーとしてキレのあるプレーを見せた。ペナルティーエリア内でパスを受けると、前のスペースにそのまま飛び出すようなトラップで相手をかわし、そのままスピードに乗った状態で中央にラストパス。しかし、最後は香川真司が信じられないようなシュートミスを犯し、武藤にアシストの記録がつくことはなかった。

 結果に直結するプレーができないでいると、武藤自身の流れも悪くなっていく。後半早々にはクロスにタイミング良く飛び込んだが、ヘディングシュートはポスト右へ。それがインパクトを残した最後のプレーとなり、65分に宇佐美貴史と交代でベンチへと退いた。

「前半のチャンスを決め切らないといけなかった。後半のヘディングや、そのほかにもチャンスがいくつかあった。細かいプレーでも中央に入るタイミング、あとは自分がしかけるところや中央の選手をうまく使うところ。いろいろ考えましたけど、できているところとできていないところがまだある。そこはもう一度見直して、この反省材料を引きずらないようしないといけない」

 6月のシンガポール戦のスコアレスドロー、8月の東アジア杯での不甲斐ない結果もあり、チームが批判に晒されていた状況だっただけに、この試合で武藤が結果を残していれば大きな個人のアピールにもつながっていただろう。しかし結局、そんな理想的な展開は簡単には実現しなかった。

 

厳しい現状を受け止めてドイツへ

 日本代表の左サイドのポジション競争は激しく、厳しい。実際に8日のアフガニスタン戦で武藤はベンチスタートとなってしまった。代わりに左サイドのアタッカーで先発した原口元気は、香川の先制点をお膳立てするだけでなく、得意のドリブルと味方を使うパスをうまく駆使し、好印象のプレーを見せ続けた。

 武藤は76分に香川に代わってピッチに入る。主に右サイドでプレーし、後方から縦パスを受けては持ち前の体の強さを生かしたボールキープと突破で打開を試みる。終盤の90分にはDFが1人、2人とマークについてきた中で力強く反転して前にドリブル。結局ファウルで止められてしまったが、ボールを失わない強さは見せ付けた。

 ただ、ライバルの宇佐美は武藤と同じく途中出場ながら本田のゴールをアシストしてみせた。先発した原口も含めた3選手の中で、武藤だけがゴールにつながるプレーができなかった。ここから3トップの左サイドの位置は、今まで以上に熾烈な争いが繰り広げられるだろう。ドイツで結果を残し意気揚々と帰国したが、ドイツに戻る道中では厳しい状況を受け止めざるを得ない結果となってしまった。

 

10月シリーズへの宣言

「点を取らないと評価されない。それはドイツでも感じている。代表でも同じ。結果が評価に値する。そこはもっとこだわっていかないと。次は、絶対に決めたい」

 ここからの1カ月での活躍、そして来月の代表戦でゴールを奪うという宣言を胸に、武藤は再びマインツでの戦いに身を投じていく。

《文・西川 結城》 

ドイツ・ブンデスリーガ週末の生放送予定

・ハノーファー vs ドルトムント香川真司、清武弘嗣、酒井宏樹)
 9月12日(土) 夜10:20〜深夜0:40(生中継 フジテレビNEXT
・バイエルン・ミュンヘン vs アウグスブルグ
 9月12日(土) 夜10:24〜深夜1:00(生中継 J SPORTS 3
・フランクフルト vs ケルン(原口元気、細貝萌)
 9月12日(土) 深夜1:24〜朝4:00(生中継 J SPORTS 4
・シャルケ vs マインツ(内田篤人、武藤嘉紀)
 9月13日(日) 深夜0:20〜深夜2:40(生中継 フジテレビNEXT
・マインツ vs ホッフェンハイム(武藤嘉紀)
 9月18日(金) 深夜3:20〜朝5:40(生中継 フジテレビONE

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