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15/09/09週刊 香川真司:更なる活躍を予感させるハイパフォーマンス


2ゴールを挙げ、名誉挽回した香川(写真=Getty Images)

日本代表歴代9位の22得点目を記録

 反転からのミドルシュートによる鮮やかな先制ゴールだった。10分に左サイドでボールを持ったMF原口元気が、外側をDF長友佑都が追い越すタイミングで中に切り込む。「元気がドリブルでうまく相手をかわしたので、そこで自分にもパスコースができた」と振り返る香川はパスをトラップするなり、チェックにきた選手を反転でかわしながら、右足でシュートを放つと、ボールは鮮やかな弾道を描いてゴールの左隅に突き刺さった。

 カンボジア戦ではFW岡崎慎司のシュートのリバウンドから右足シュートで3点目を挙げた。しかし、ゴールエリア内でボールを無人のゴールに流し込むだけの絶好のシチュエーションで、GKの元にボールを届けてしまうという痛恨のシュートミスが国内外で大きな嘲笑的な話題を生み、より大きく取り上げられてしまった。それでも、「しっかり試合に入れた」と語る香川は早い時間帯に見事なゴールを決め、チームに勢いをもたらしたのだ。

 その後も柔軟な動き出しで味方のパスを引き出し、そこから原口や長友に前を向かせるパスで攻撃を循環させた香川は35分にショートコーナーからDF森重真人のゴールの起点になると、後半5分には原口のパスからタイミング良くゴール前に侵入して左足でこの日の2点目を決めた。これで日本代表22得点目、FW高原直泰と並ぶ歴代9位となったが、本人としては原口に出したパスがズレたことを反省した。

「もうちょっと(原口の)前に出してあげたかった。そのあとうまく自分のもとに返ってきて、冷静に決めることができたんですけど。ピッチ状態もありましたし、ああいう細かいプレーは難しかったですけどね」

環境に応じたプレーで攻撃をけん引

 テヘランは高温で湿度が低く、しかも高地のため空気が薄いという難しい環境だった。だが、それ以上に選手たちを苦しめたのは、芝が長くボコボコしていたこと。細かく正確にボールを回すのは難しかった。その中で香川は「細かいプレーというよりはダイナミックなプレーというか、そういうのを意識しました」と振り返る。実際に、サイドチェンジやドリブルを駆使しながらアフガニスタンの守備を揺さぶり、引きはがすトライが多かったが、特に香川は周囲とうまく絡みながら多くのチャンスの起点になっていた。

 57分にはリスタートの流れから右サイドでMF本田圭佑が香川につなぐと、そこからディフェンスの裏に走るMF山口蛍に見事なスルーパスを通し、岡崎慎司によるチーム4点目のゴールをお膳立て。5−0で迎えた73分にはFW宇佐美貴史と鮮やかなワンツーを決め、本田のゴールにつながる宇佐美のラストパスを導いた。

「アウェイの雰囲気を感じたし、歓声も相手がボールを持ったときにあったので、アウェイの中でも大差で勝てた事はすごく良かった」

 香川は76分にFW武藤嘉紀との交代でピッチを退いたが、大量得点の立役者であることに異論はないだろう。サイドを起点にしながら中を崩す形を成功させるためのキーマンとして機能しながら自ら2得点を挙げるにとどまらず、ほとんどのゴールに絡んだことは特筆に値する。「崩しの中で3枚、4枚が絡んで取れたので、しっかり自信になると思います」と香川は語りながら、さらに継続して向上させることの重要性を口にする。

「ドルトムントでやっていることは代表につながると思いますし、ただ代表というのは常に練習できる環境ではないので、代表で集まることをこの1カ月考えて、またトレーニングに励んでいきたいと思います」

 ここまで積み重ねたゴールの数が示す通り、2008年にA代表でデビューしてから輝きを放つ試合は何度もあった。だが、継続して活躍できず、勝負弱さやクラブでできていることが代表でできないと指摘されてきた。バヒド・ハリルホジッチ監督も中心として期待する10番が真価を問われるのはここからだが、再び期待を抱かせるに足るアフガニスタン戦でのパフォーマンスだった。

《文・河治良幸》

ドイツ・ブンデスリーガ週末の生放送予定

・ハノーファー vs ドルトムント香川真司、清武弘嗣、酒井宏樹)
 9月12日(土) 夜10:20〜深夜0:40(生中継 フジテレビNEXT
・バイエルン・ミュンヘン vs アウグスブルグ
 9月12日(土) 夜10:24〜深夜1:00(生中継 J SPORTS 3
・フランクフルト vs ケルン(原口元気、細貝萌)
 9月12日(土) 深夜1:24〜朝4:00(生中継 J SPORTS 4
・シャルケ vs マインツ(内田篤人、武藤嘉紀)
 9月13日(日) 深夜0:20〜深夜2:40(生中継 フジテレビNEXT
・マインツ vs ホッフェンハイム(武藤嘉紀)
 9月18日(金) 深夜3:20〜朝5:40(生中継 フジテレビONE

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