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15/08/20J1・2nd第8節プレビュー ボールを速く走らせる湘南か、多く走らせる川崎Fか

湘南は現在6位。同順位の川崎Fと今節直接対決(写真=Getty Images)

 

「ボールは汗をかかない」

「ボールは汗をかかない」。これはサッカー界に古くから伝わる名言の一つであり、未来永劫変わることのないサッカーの真理だ。起源はブラジルであるとする説が一般的だが、オランダの伝説的名選手にして、現在のバルセロナのスタイルの礎を作ったクライフも「ボールを動かせ、ボールは疲れない」と言っていた。

 この言葉にともなうのは、「汗をかかないボール」を動かして、自分たちよりも相手選手に汗をかかせるというポゼッション重視のスタイルである。そもそもボールを自分たちが保持していれば相手に攻められることはないというロジックにも行きつくし、ボールを動かしながら相手のスキをうかがうという、いわば強者の戦い方とも言える。チーム全体でボールを巧みに扱って、美しく戦うという意味合いが含まれることも多い。

 ブラジルのサッカーの影響を多く受けている日本においてもこの考え方は根強く、それをより先鋭化させているのが風間八宏監督率いる川崎Fだ。この週末に公式戦500試合出場を達成する百戦錬磨の中村憲剛、リオ五輪を目指すU-22代表の主軸を務める大島僚太というタレントを軸に、前線には大久保嘉人というストライカー、最終ラインにもボール回しに長けた選手を配置し、自分たちがボールを持つことを前提としたサッカーを追求している。反面で失点も多く、チームの結果に波がある。風間監督は負けた試合も自分たちの中に敗因があるとし、「ボールを持つことを怖がる選手がいると、このサッカーはできない」と話す。勝ち切れないということはまだまだ理想形には届いていないということだが、本当に見ていて楽しく、美しいサッカーをしている。

 

「ボールが一番速い」

「ボールが一番速い」という考え方もある。ピッチ上のどの選手よりも、ボールのスピードが速いという、これまた一つの真理である。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督なども「縦に速いサッカー」を理念に掲げているが、それはこの考え方を一つの出発点としている。相手が走って自陣に戻り、守備陣形を整える前に、ボールを縦に走らせて攻めていこうということだ。特に相手からボールを奪った直後の“ファーストブレイク”のチャンスを見逃さずに縦パスを入れていくことが重要になる。

 なお、このスタイルはボールを素早く走らせながら、それに呼応して選手も走ってこそゴールにつながるので、走力も必要となる。攻撃時だけではなく、守備時もその走力を使って相手からボールを奪い返し、攻撃に出ていくという繰り返し。そのスタイルを突き詰めているのが曺貴裁監督率いる湘南である。1試合の走行距離、スプリントの回数はリーグトップであり、曺監督も「夏場の試合でほかのチームがよりテンションを高めて、インテンシティー(試合の強度)を強めて、攻守にオープンなゲームになっても、走り合う展開になるとはとても想像がつかない。(湘南の)いまの走行距離とスプリントはほぼマックスに近い」とも話している。それだけ走った中で、プレーの“クオリティー”をどう上げていくかという課題はまだあるが、激しく戦う湘南の90分は見ごたえ十分だ。

 

6位タイの湘南と川崎F、生き残りを懸けて

 そんな湘南と川崎Fが、22日に激突する。明治安田J1・2ndステージ第8節、湘南のホームBMWスタジアム平塚での一戦だ。湘南と川崎Fは7試合を終えて現在勝ち点11、得点数も失点数もまったく同じの6位タイ。まだ2ndステージ優勝を狙える位置ではあるが、ここで勝ち点3を上積みできないとかなり難しくなる。優勝争いへの生き残りを懸けたサバイバルマッチと見ることもできるだろう。ボールを速く走らせる湘南か、ボールを多く走らせる川崎Fか。必見の一戦である。

 

5位・名古屋、4位・FC東京の直接対決も

 22日のJ1・2ndステージのそのほかの試合では、前節で首位に立った鹿島は5連勝を懸けて山形と対戦。勝ち切る強さを取り戻しつつある“常勝軍団”は首位の座を堅持するか。2連敗で鹿島に首位を譲る形となった広島も、黙ってはいないだろう。今節はアウェイで新潟と対戦。残留争いの渦中にいる新潟としても譲れぬ一戦のため、こちらも白熱すること間違いなしだ。また、5位・名古屋と4位・FC東京も、湘南と川崎Fの試合同様、優勝争いへの生き残りを懸けたサバイバルマッチという意味を持つ。FC東京はGK権田修一、左SB太田宏介という日本代表選手が戦線離脱している上に、同じく日本代表のCB森重真人も出場停止。この穴を埋めて連勝を4に伸ばせれば勢いは増しそうだが、はたして。

《文・J:comサッカー編集部》

Jリーグ週末の生放送予定

・アルビレックス新潟 vs サンフレッチェ広島
 8月22日(土) 夜6:50〜夜9:25(生中継 TBS チャンネル1)
・名古屋グランパス vs FC東京
 8月22日(土) 夜6:50〜夜9:30(生中継 J SPORTS 3
・少年ベルマーレ vs 川崎フロンターレ
 8月22日(土) 夜7:00〜夜9:00(生中継 NHK BS1)

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