日本代表・Jリーグ日本代表・Jリーグ

17/09/04【日本代表 コラム】21歳・井手口。稀代のボールハンターが描くロシアへの青写真

(写真:Getty Images)

 W杯アジア最終予選の豪州戦で輝きを放った井手口陽介。堂々たるプレーを見せたチーム最年少の21歳だが、G大阪でのパフォーマンスを振り返れば、その圧巻のプレーも納得だ。

 球際の激しさや攻守の切り替えの多さなどプレー強度が上がれば上がるほどその持ち味を発揮できるのが、井手口という“ボールハンター”である。

 まだ定位置獲得にはほど遠かった2年前の夏、井手口は南米王者にそのポテンシャルの一端を見せつけていた。

 15年のスルガ銀行チャンピオンシップで来日したのはリバープレート。直前に行われていたコパ・リベルタドーレスで優勝し、名実ともに南米最強だったアルゼンチンの雄相手に井手口は右SBで先発。開始早々にPKを与えるアンラッキーな試合の入りを見せたものの、ボランチに移行した後半は、アルゼンチン代表クラスのタレントに一歩も引けを取らない球際の激しさで対抗した。

 当時、G大阪のボランチに君臨していたのは遠藤保仁と今野泰幸で明神智和(現・長野)が控えに回るという層の厚さだったが、遠藤は「(井手口)陽介はほかのチームならすぐにレギュラーになれる」とそのポテンシャルを高く評価していた。

 ボール奪取能力と圧巻の運動量はデビュー当時からの持ち味だが、急激な成長曲線を描いている21歳が今季、新たに身につけたのが攻撃面での成長だった。「変なボールロストもなくなってきたし、プレッシャーを受けても外せるようになってきた。ボールを奪う能力はもともと高かったけど、今季は攻撃面で伸びている」と豪州戦翌日に、愛弟子の成長を手放しで喜んだのは長谷川監督だ。

 昨季は任せることがなかったアンカーを井手口に託すことが多くなってきたのも、彼への信頼があってこそ。J1第24節・鳥栖戦でも長短のパスで攻撃をけん引し、守備面ではもはや貫禄さえ感じさせるほどの安定感を見せ始めている。

 昨夏のリオ五輪では世界相手に戦う難しさと一瞬のミスが命取りになることを体感した井手口だが、同時に決意したのは世界への再チャレンジ。当時、20歳の俊英はこうきっぱり言い切っていた。

「五輪では結果が出せなかったので、次は本当にA代表に入って、ロシアのW杯に選ばれるようにしっかりとここから頑張っていきたい」

 リオ経由ロシア行き——。G大阪の若きボールハンターは、描いた青写真どおりのキャリアを歩み始めている。

文・下薗 昌記

日本代表関連生放送予定  

2018 FIFA ワールドカップロシア アジア最終予選

・日本 vs サウジアラビア
 9月5日(火) 深夜2:20〜(生中継 テレビ朝日系、NHK BS1)

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.