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17/04/18【週刊 香川真司】襲撃事件後につかんだ日常に戻るための重要な勝利

3戦連続スタメンの香川だが満足に行くプレーはできなかった(写真:Getty Images)

圧倒的な強さを誇るホームで手にした勝利

 まだ傷が癒えたわけではない。だが、この勝利はドルトムントにとって”日常”に戻るための重要な一勝になったのは間違いない。チームバス爆破事件から4日で迎えたフランクフルト戦、ドルトムントは3-1で勝利した。

  試合は立ち上がりに動く。2分、FWピエール・エメリク=オーバメヤンとのワンツーでエリア内に侵入したMFクリスティアン・プリシッチが右から折り返すと、ゴール前に飛び込んだFWマルコ・ロイスが右足ヒールで合わせてネットを揺らした。負傷からの復帰を果たした先発入りしたロイスが、いきなりのゴールで自らのカムバックを祝ってみせた。

 幸先よく先制したドルトムントだが、守備陣が安定しない。9分に許した決定機はMFマルコ・ファビアンが左に外したが、29分にはMFヌリ・シャヒンに当たってややコースの変わったファビアンのミドルシュートがゴール右上に吸い込まれ、同点に追いつかれてしまう。

 しかし、ホームで2年以上負けていないドルトムントはすぐさま追加点を奪う。34分、最終ラインからするするとドリブルで持ち上がったDFソクラテス・パパスタソプーロスがエリア外から豪快なミドルを放つと、時速108kmを記録したシュートはゴール左上に突き刺さった。

 後半も、試合はそのままのスコアで進む。同点ゴールを狙うフランクフルトだったが、セットプレーのカウンターからシャヒン、MFウスマン・デンベレと繋ぎ、抜け出したオーバメヤンがダメ押しとなる3点目を奪い、ドルトムントが3-1で勝利した。 

CL準々決勝セカンドレグを控えるドルトムント(写真:Getty Images)

ミスも目立ち、精彩を欠いた香川

 MF香川真司はトップ下として先発フル出場したが、公式戦3試合連続ゴールはならなかった。事件のショックがまだ残っているからか、あるいは連戦の疲れからか、ボールが足につかずに普段は見せない簡単なミスからボールを失うシーンも目立った。

 19分にはエリア内でこぼれ球を拾うとドリブルで相手をかわしてGKと1対1の決定機を迎えるが、シュートはGKが足でセーブ。後半ロスタイムに迎えたチャンスも再び足で防がれた。

 水曜日に延期された欧州チャンピオンズリーグのモナコ戦を戦い、中2日で迎えたフランクフルトとのホームゲームだったが、GKロマン・ビュルキが「まだうまく眠ることができない」と語ったように選手たちはまだ事件のショックから立ち直ったわけではない状態で迎えた試合だった。

 2点目を奪ったソクラテスはシュートの軌道だけでなく、そのゴールが持つ意味を含めて「キャリアの中で最も美しいゴールだと思う」と語ったゴールを爆破事件で負傷した同僚DFマルク・バルトラとその家族に捧げた。水曜日のモナコ戦後には複雑な感情が抑えられず涙を見せたギリシャ代表DFは、この試合の後にも「今日、試合をしたなんてまだ奇妙な気分だ。僕らに起こったことはまだ頭の中に残っている」とまだショックから立ち直れていないことを明かした。

 ドルトムントの選手たちが事件のショックから立ち直るにはまだ時間が掛かるかもしれないが、それでも水曜日にはモナコで欧州CL準々決勝第2戦を、土曜日にはアウェイでボルシアMGとの試合を控えている。週2試合ペースが続くドルトムントにとっては苦しい日程だが、欧州CLストレートインとなる3位を狙うドルトムントにとっては勝ち点を落とせない戦いが続く。

 だが、この過密日程も悪いことばかりではないようだ。「こうやって試合日程が詰まっていて、ソファに座って起きたことについて考える必要がないのはいいことなんだ」とビュルキはそのメリットについて触れている。

 事件の真相はまだ解明されていないが、もし爆発があと1秒早く起きていたら死者が出ていたかもしれなかったことが分かるなど、事件の深刻さは次第に明らかになっている。主将のDFマルセル・シュメルツァーは「事件が解明され、それが僕らの回復の助けになることを望んでいる」と語っており、真相の早期解明がドルトムントの選手たちが立ち直るための大きな助けになりそうだ。

《文=山口裕平》

ドイツ・ブンデスリーガの生放送予定

ブンデスリーガ第30節

・ボルシアMG vs ドルトムント
 4月22日(土)深夜1:24〜朝4:00(生中継 J SPORTS 4

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