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17/02/02【WOWOWリーガコラム】勝敗に大きく影響する誤審。ゴールラインテクノロジーの導入は必要か?

(写真:アフロ)

 先週末のリーガ・エスパニョーラ第20節で優勝争いを決定付けそうな2つのジャッジがあった。

 1つは誤審。

 ベティス対バルセロナでベティスDFがオウンゴールになりそうなボールをゴール内から掻き出した。ゴールラインを完全には割っていないとして判定はノーゴール。しかし、ビデオを確認してみると数十センチはラインを越えていた。私はこの試合を取材していたが、メインスタンドの最上階の記者席からでもDFの足、ボール、ポストの位置関係からしてゴールだったことが見て取れた。主審も線審も運悪く選手の影となってボールが良く見えなかったのだろう。この試合は引き分けに終わった。もしゴールが認められていたらバルセロナが勝利していたはずだ。

 もう1つはおそらく正しいジャッジ。

 エスパニョール対セビージャでセビージャDFがゴールに迫るエスパニョールの選手の肩に手を掛けて倒した。PK、そしてレッドカード。今季からPKを犯した選手を退場させるか否かは審判の判断に任されることになっている。得点を阻むためにわざと犯したファウルについてはレッドカード、ボールを奪おうとして犯してしまったファウルはイエローカード。

 軽微な接触であったが後から肩に手を掛けたのだからレッドカードとされても仕方がない。この判定で試合開始1分から10人となったセビージャはPKも決められて、結局1ー3で敗れた。

 首位のレアル・マドリードが勝利したことで、2位・バルセロナ、3位・セビージャとの差は4ポイントに開いた。R・マドリードの消化試合が1試合少ないことを考えると、R・マドリードは優勝に大きな一歩を踏み出したと言って良い。

 一夜明けると、スペインはゴールラインテクノロジー導入賛成一色になっていた。リーガはプレミアリーグ、ブンデスリーガ、セリエA、リーグ・アンを加えた欧州5大リーグの中で唯一肉眼だけでゴール判定をしているリーグなのだ。

 ゴールラインテクノロジー導入について私は一貫して賛成の立場だった。

「サッカーに機械を持ち込むべきではない」というロマンチックな反対論は根強くある。審判も人間だからミスはする。誤審を人間的な行為として認めようというものだ。私もミスをしてこそ人間であり、ベティス対バルセロナ戦の審判を責めようとは思わない。だが、誤審を肯定しているわけではない。コンペティションに大きな影響を与え大金の流れを変えかねない誤審は、無い方が良いに決まっている。

 クラブ・ワールドカップでのビデオ判定のもたつきぶりを見て「やっぱりサッカーに機械を持ち込むべきではない」と合点していた、スペインの評論家やジャーナリストもゴールラインテクノロジー導入にはもろ手を挙げて賛成のようだ。確かにもたつきはあった。今すぐ導入というわけにはいかないと私も思った。だが、それは今後の技術革新で解決する問題だ。いきなり、ビデオ判定反対とか機械不要というのは筋が通らない。

 ゴールラインテクノロジーが定着すれば、次のステップはオフサイド判定テクノロジーだろう。オフサイドか否かもゴールに直結する重大な判定である。こうしてテクノロジーが導入されていけばジャッジから人間的な部分がなくなるだろうか?

 なくなるわけがない。セビージャDFを退場にさせた判定が良い例である。故意かどうかが問われる判定は機械化できない。手を使うとした意図が問われるハンドの判定も同じである。

 サッカーのためには誤審は少なければ少ないほど良い。重大な責任を負う審判を裸で放り出して人間的なミスを犯させるのではなく、機械でサポートしてミスを防ぐことこそ、真に人道的な措置ではないか。

《文=木村浩嗣》

スペイン・リーガエスパニョーラの生放送予定

リーガエスパニョーラ第21節

・バルセロナ vs ビルバオ
 2月4日(土) 深夜0:00〜(生中継 WOWOWプライム
・バレンシア vs エイバル(乾貴士)
 2月5日(日) 朝4:30〜(生中継 WOWOWライブ
・セルタ vs レアル・マドリード
 2月6日(月) 朝4:30〜(生中継 WOWOWライブ

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