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17/01/20【セリエ】ベンチを温め続ける本田と長友

ベンチで過ごす時間の長い本田(写真:Getty Images)

プロフェッショナリズムを貫く本田だが…

 苦しい立場の まったく起用されないのは、指揮官が流れを意識しているからなのだろうか。MF本田圭佑もDF長友佑都も、プレーするチャンスが与えられてもおかしくない。だが、それぞれベンチを温め続けている。

 コッパ・イタリアで逆転勝利したトリノとセリエA20節でも対戦したミランは、コッパ同様に得点ランキングで2位につけるFWアンドレア・ベロッティの先制点を許すと、5分後にも失点。さらに30分過ぎにはPKを献上し、絶体絶命のピンチに追い込まれた。

 だが、守護神GKジャンルイジ・ドンナルンマがFWアデム・リャイッチのPKを止めると、徐々に集中を切らしたトリノを相手に反撃。後半に入って55分にMFアンドレア・ベルトラッチが1点を返すと、5分後にもDFガブリエル・パレッタが巧みにPKを誘発し、FWカルロス・バッカがこれを決めて同点に追いついた。

 試合を振り出しに戻したミランだが、そのまま勢いに乗って逆転するには至らず。目を覚ましたトリノに再び苦しめられる。ビンチェンツォ・モンテッラ監督が追加点を目指してMFジャコモ・ボナベントゥーラに代えて送り出したのは、FWエムバイェ・ニアンだった。

 そのニアンが、シーズン序盤戦の輝きを完全に失っている。この日も切り札的な役割を期待されたにもかかわらず、守備で集中を欠いてピンチを招き、攻撃では最もフレッシュだったにもかかわらずインパクトを残せなかったのだ。

 一部メディアは、モンテッラ監督や一部のチームメートがニアンの態度に不満を表したと報じている。それもあってか、クラブは否定しているが、ニアン放出説は絶えない。確かに、出場停止でコッパの試合に出られず、この日も途中出場だっただけに、発奮したプレーを期待するのは当然だろう。だが、ニアンからはそんな空気が感じられなかった。

 そういった姿勢の対極にあるのが、どの指揮官からもプロフェッショナルな姿勢をたたえられてきた本田のはずだ。

 個で状況を打開するだけの力は、残念ながら背番号10にはない。だが、できる限りでバッカや中盤をサポートし、連携を試みることは間違いない。守備でも不要な場面を招くことはないだろう。終了間際のDFアレッシオ・ロマニョーリの退場も、もしかしたらなかったかもしれない。ロマニョーリは次節のナポリ戦に出場できなくなった。

 それでも本田が呼ばれなかったのは、シーズンのこれまでの流れから難しいことなのかもしれない。今季復活を印象づけている好調ミランだが、もちろん余裕があるわけではない。できればチャンピオンズリーグ、最低でもヨーロッパリーグ出場という目標のためには、若き推進力が必要ということなのだろうか。

カップ戦でも出場できなかった長友(写真:Getty Images)

長友の起用を求めるメディアも

 チャンスに恵まれてもおかしくなかったのは、インテルの長友も一緒だ。浮上を目指して連勝中のセリエAはともかく、コッパ5回戦のボローニャ戦では、公式戦5試合ぶりのスタメン出場も期待されていた。だが、ステファノ・ピオリ監督が選んだのは、クリスティアン・アンサルディとダニーロ・ダンブロージオのレギュラーコンビ。長友も前週の本田同様、カップ戦でも先発できなかった。

 週末のキエーボ戦で相手を圧倒しながら先制点を許したものの、後半の3得点で逆転勝利したインテルは、ボローニャ戦でも34分にDFジェイソン・ムリージョの見事なオーバーヘッドで均衡を破ると、5分後にも追加点を奪って楽々と試合を進める。だが、43分に1点を返されると、73分に一瞬の隙を突かれて追いつかれた。

 失点場面はアンサルディだけの責任ではないが、同点とされるのを防ぐのに十分ではなかったのは間違いない。何より、この日のアンサルディはパスやクロスのミスも目立つなど精彩を欠いた。最終的には延長戦の末に競り勝ち、事なきを得たが、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』の採点でアンサルディはチームワーストに選ばれている。

 連戦による疲労もあるかもしれない。だが、だからこそ、長友を起用するのも一手なのではなかろうか。試合後の会見では、対峙する相手に苦戦していたアンサルディを長友と交代させなかった理由を問う質問も飛んでいる。ピオリ監督は「3つ目の交代枠を使いたくなかった」と答えた。

 監督交代の効果が出始めているインテルは、公式戦7連勝と勢いづいている。指揮官は、この流れを止めたくないのかもしれない。

 インテルは常に新サイドバックの獲得が騒がれている。1月の長友放出はないとみられるが、シーズン後にはチャイナマネーを駆使した補強も見込まれ、長友の立場はますます厳しくなることが予想される。今季後半戦でアピールしたいところなのだが…。

《文=J:COMサッカー編集部》

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