リーガエスパニョーラリーガエスパニョーラ

17/01/20【リーガ】レアルの無敗記録が止まり、優勝争いは混戦模様に

前節、セビージャに敗れたレアル・マドリー(写真:Getty Images)

首位と3位の差は勝ち点「2」に

 レアル・マドリーの無敗記録が40で止まり消化数が1試合少ないものの、2位セビージャとの勝ち点差はわずか「1」、3位バルセロナの差は「2」でリーグ優勝争いの興味が高まった。その一方で下位3チーム、スポルティング、グラナダ、オサスナはまたもや勝ち点3を挙げられず、今季の残留争いは非常に低レベルになるかもしれない。

 セビージャに逆転負けしたレアル・マドリーはホームにマラガを迎える。無敗記録は止まったもののジダン監督の率いるチームの内容は悪くなかった。85分のセルヒオ・ラモスのオウンゴールがなければ、PKで挙げた先制点をジダン初の3バックで守り切っていただろう。3バックはコパ・デルレイと合せて3度目の対戦で「何かを変えたかった」(ジダン)のが理由だが、リベロ役のセルヒオ・ラモスをリーダーに十分機能していた。ただ、問題は相手に主導権を渡す(ボール支配率は42%)格好になるから反撃に転じることが難しいことか。今週末は4バックに戻してくると思う。

 堅守が光った試合でセルヒオ・ラモスと並んで良かったのが、カセミロ。ボールロストの瞬間に体を寄せてカウンターの芽を摘むだけでなく、仲間をサポートしセーフティなパスでゲームを落ち着かせた。彼が入りコバチッチが戻って来たことでイスコとハメスが招集外となったことは、ジダンの守備優先のフィロソフィーを象徴するものだ。キーマンはそのカセミロとしたい。

 マラガはソシエダに0-2で敗れた。昨年末、突如辞任したファンデ・ラモスの後任マルセロ・ロメロ監督はシンプルなカウンターサッカーを目指しているのだろうがロングボール頼りの攻撃は単調で、キープ力があるサンドロがケガで退くと威力は半減。ソシエダに先制された後はパスワークに翻弄させるばかりだった。この戦い方ではレアル・マドリー相手には得点するのは苦しい。サンドロの出場が微妙なのでキーマンは今週加入したばかりのベテラン、デミチェリス。CBにケガ人続出のチームで即今週末から出番がありそうだ。

 意気上がるセビージャはオサスナの本拠地パンプローナを訪れる。アウェーでは今季はバルセロナ(20)、レアル・マドリー(17)に次ぐ勝ち点15を挙げており、苦手意識もなくなったことだろう。注目はレアル・マドリーを破る決勝点をミドルシュートで挙げた新加入のヨベディッチ。彼はコパ・デルレイ第2レグでもゴールを決めておりレアル・マドリー戦で2連発という強烈なデビューを飾った。ビトロが負傷したので今週末は初めて先発で使われるはずだ。足の振り幅が短くても強いシュートが撃て、体を使ったキープも巧み、何より幸運に微笑まれている彼をキーマンとしたい。

 オサスナは1-1でグラナダと引き分けた。新監督バシレビッチになってから3分けとホアキン・カパロス前監督より内容は良くなっている。5バックで守りを固めセルヒオ・レオン、オリオル・リエラの2トップで攻めるやり方はシンプルだが、2トップの動きが良いこともあって前監督の4-2-3-1よりは機能している。セビージャ相手にもボールを譲りカウンターに活路を見出す戦い方をしてくるだろう。キーマンはベテラン、オリオル・リエラ。前節ゴールを挙げ2ゴール目を微妙なオフサイドの判定で取り消された彼に注目したい。 

プレーでバルセロナを引っ張るメッシ(写真:Getty Images)

アレイクス・ビダルと乾のマッチアップにも注目

 ラス・パルマスを5-0と一蹴したバルセロナはエイバルを訪れる。ルイス・エンリケ監督にとっては、パスサッカーのラス・パルマスよりも激しいプレスを掛けてパス回しを寸断しようとしてくるエイバルの方が、やりにくいだろう。契約更新問題でグラウンド外では騒がれているメッシも、芝生の上では相変わらずハイレベルのプレーでチームを引っ張り続けているが、ラス・パルマス戦の主役は脇役たちアレイクス・ビダル、アルダ、アンドレ・ゴメスだった。特に、MFのセルジ・ロベルトに右SBのポジションを奪われ2試合目の出場だったアレイクス・ビダルはゴールを決め、ルイス・エンリケに「活躍して私の判断が間違いだと証明してくれるのは喜ばしいこと」と言わしめた。コパ・デルレイ、CLにも参戦中のチームで過密日程の中、出番が増えるだろう彼をキーマンにしたい。

 エイバルはスポルティングに3-2で勝利し、アベラルド監督に引導を渡した。微妙な判定のPKで先制し2度の相手GKのミスで2点をプレゼントさせる幸運もあったが、内容でも相手を上回っていたので順当な結果だった。先発した乾は相手選手との激突で頭から出血するアクシデントがあったが、これは名誉の負傷である。実は彼が空中戦で頭を強打するのはよくあることで、それでも起き上がって戦い続ける姿にこちらのコメンテーターが「どんな石頭なんだ!」と感心したこともあった。小柄ながら激突を恐れないファイトこそ、メンディリバル監督が大いに評価しているところだろう。なにせエイバル躍進の鍵はアグレッシブさなのだ。バルセロナ戦でも不利は否めないものの全力で食い下がってくれるに違いない。キャリア最高の輝きを見せているトップ下のアドリアンにも目配せしながら、右SBアレイクス・ビダルとの一騎打ちが楽しみな乾をやはり今週もキーマンに選びたい。

 ビジャレアル対バレンシアは隣州同士のダービー。3カ月ぶりに勝利したバレンシアはボロ新監督になってのベストマッチだった(対エスパニョール2-1)。プランデッリ前監督時代には見られなかったインテンシティの高さ、それを声援で支えるスタジアムの雰囲気を見ていると、生え抜きのボロを後任にしたのは正解だったと思う。采配面でもケガのロドリゴに代わってムニールではなくサンティ・ミナのセンターFW起用が的中し決勝点を挙げさせた。

 インテンシティの高いサッカーと言えばビジャレアルの持ち味でもあるから、今週末は意地の張り合い、プレスの掛け合いという激しい攻防になりそう。まだまだ付け焼刃のバレンシアに比べ組織的にはビジャレアルの方が上だが、フラン・エスクリバ監督の率いるチームにはゴール不足の懸念がある。先週末はデポルティーボとスコアレスドローで新年になって未勝利。ソルダードが長期負傷中でバカンブーはアフリカネーションズカップに出場中。バレンシア戦では出場停止明けのチーム得点王(7ゴール)のサンソーネに期待が懸かる。キーマンはサンティ・ミナとサンソーネの2人のゴールゲッターを選びたい。

 アスレティック・ビルバオ対アトレチコ・マドリーは屈指の好カードなのだが、アスレティック・ビルバオ側に痛い欠場者(アドゥリス、ベニャ。ともに出場停止)が出てしまった。しかもバルベルデ監督はシメオネ監督率いるチームにホームで3連敗中と極めて相性が悪い。おりしもアトレチコ・マドリーは堅守速攻のサッカーに原点回帰し、先週もベティスを1-0で下して、リーガでいずれも無失点の3連勝。先制され堅い試合運びをされると、アドゥリス、ベニャ抜きでは反撃しようにもタレントが足りない。ウィリアムスが俊足を生かそうにも下がって守るシメオネのチーム相手ではスペースがない。先週末のレガネス戦では相手の決定力不足で0-0と引き分けて勝ち点1を拾ったが、今週末は得点の匂いがしない。ならば強靭なフィジカルの2ボランチ(イトゥラスペ、サン・ホセ)を中心に守ってセットプレーに活路を見出すしかなかろうということで、ヘディングの強いサン・ホセをキーマンにしたい。

 アトレチコ・マドリーの方は「結果以外に大事なことがあろうか」というシメオネの言葉に象徴されるサッカーをしている。攻撃タレントが輝かない状況で、キーマンにはそんなシメオネのフィロソフィーを誰よりも知るゴディンを選ぶ。今季はまだ1ゴールのセットプレーでもそろそろ“原点回帰”となるかもしれない。

《文=木村浩嗣》

スペイン・リーガエスパニョーラの生放送予定

リーガエスパニョーラ第19節

・レアル・マドリード vs マラガ
 1月21日(土) 深夜0:00〜(生中継 WOWOWライブ
・ビジャレアル vs バレンシア
 1月22日(日) 朝4:30〜(生中継 WOWOWライブ
・ビルバオ vs アトレチコ・マドリード
 1月22日(日) 深夜0:00〜(生中継 WOWOWライブ
・エイバル vs バルセロナ(乾貴士)
 1月23日(月) 朝4:30〜(生中継 WOWOWライブ

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.