プレミアリーグプレミアリーグ

16/12/29【週刊 岡崎慎司】監督に振り回されながらも、明確なビジョンを持って戦った前半戦

プレミアで2シーズン目を迎えた岡崎(写真:Getty Images)

昨季を上回る5ゴールを記録

 28日までに第18節を終えたプレミアリーグは、シーズンの折り返し地点にさしかかろうとしている。奇跡のリーグ優勝を遂げたレスター・シティは昨季の栄光から一転、苦戦が続いていて降格圏近くの16位に低迷している。

 そして、プレミアリーグ挑戦2季目のFW岡崎慎司も、収穫と悔しさが混在する複雑なシーズン前半戦を過ごした。評価できるのは、昨シーズンの同時期までの得点数(3)を上回る、通算5ゴールを記録したこと。内訳は、国内リーグ戦が2点、リーグ杯が2点、欧州チャンピオンズリーグ(CL)が1点だった。FWとしてはまだまだ物足りない数字だが、FWジェイミー・バーディー、FWイスラム・スリマニ(5点)と同数のゴールを記録したのは前向きに評価できるだろう(ちなみに、チーム最多得点はMFリヤド・マフレズの7点)。岡崎のプレー時間が限定的だったことを思えば、なおさらのことだ。

 一方、後半戦に向けての課題は試合出場数である。国内リーグ戦18節までのうち、先発試合数は半分の9試合。昨シーズン後半戦から定位置を不動のものにしたが、イスラム・スリマニの加入で、今季は準レギュラーの位置付けに降格した。

 特に序盤戦は、ベンチを温める試合が多かった。CLのグループリーグ1節のクラブ・ブルージュ戦では、まさかのメンバー外。スタンドで戦況を見つめるという屈辱を味わい、試合後の取材エリアでも「昨季はずっと試合に出ていたし、ありえないと言ったらありえない」と、采配に納得のいかない様子だった。

 しかしこうした動揺も徐々に消え、ベンチ要員の序列を受け入れるようになる。7節のサウサンプトン戦後には、「あまり一喜一憂せず、今の状況を受け入れる。今は地道にやらなきゃいけないなと思います。1試合出られないだけでちょっと動揺したけど、こういう厳しい状況はサッカーをやっていれば誰にでもある」と、気持ちを切り替えて練習や試合に臨むようになった。

 転機になったのは、9節のクリスタル・パレス戦。この試合で先制点となるゴールを挙げて勝利に貢献し、以降の5試合で先発を任されるなど、ラニエリ監督の信頼を再び掴んだかのように見えた。ところが、チームの成績が振るわないことから、再びベンチ要員に。結果として、先発とベンチを繰り返す準レギュラーの立ち位置に落ちついてしまった。定位置を奪えるかどうかが、後半戦のポイントになるだろう。

 もっとも、岡崎自身は、もう少し大きなビジョンを描いている。日本代表FWの最終目標は、ストライカーとしてさらに成長すること。いかなる環境下でもゴールを奪えるFWに進化することにある。そのため、積極果敢に仕掛けるプレーや、直感を信じてゴールに向かう動きを増やしたりしている。こうしたプレーを続けることで、クラウディオ・ラニエリ監督の評価が下がり、結果として試合に出られなったとしても構わないと言い切る。

「『こうかな?』と考えてから動くようなプレーだと、自分のプレーが遅くなってしまうから、それを削る。自分の中での考えをクリーンにして、一直線にやる。それが理想。

 試合に出られなくなっても、開き直っていこうかなと。練習から勝負する。このチームは、今後も勝ったり、負けたりだと思うんですけど。自分はそういうジレンマの中でやるのはもうやめた。もちろん、守備もちゃんとやります。ただ、このタイミングで点を取り出したら、いままで『チームありき』と考えていた自分を変えられるかもしれない。だから、そっちで勝負していこうかなと」

 采配に一貫性がなく、チームづくりの方向性すら見えてこないクラウディオ・ラニエリ監督に振り回されながらも、岡崎は明確なビジョンを持って戦っている。ここでしっかりと結果を残し、定位置を奪取するようになれば──。

 岡崎は、FWとしてさらに進化したことになる。

《取材・文 田嶋コウスケ》

イングランド・プレミアリーグの生放送予定

プレミアリーグ第19節

・マンチェスター・ユナイテッド vs ミドルズブラ
 12月31日(土) 夜11:53〜深夜2:23(生中継 J SPORTS 2
・リヴァプール vs マンチェスター・シティ
 12月31日(土) 深夜2:23〜朝5:00(生中継 J SPORTS 2

Copyright (c) Jupiter Telecommunications Co., Ltd. All Rights Reserved.