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16/12/28【週刊 長友佑都】定位置確保には至らなかった前半戦


批判も受けた前半戦。後半戦での巻き返しに期待がかかる(写真:Getty Images)

ファーストチョイス奪回を目指す2017年

 公式戦出場は11試合、リーグ戦出場は7試合。そのうちリーグ戦の先発出場は4試合にとどまる。2016-17シーズン、DF長友佑都の前半戦は主力と目されるにはやや物足りない成績となった。度重なる監督更迭で再アピールを強いられる一方で、故障でも出遅れ。そして復調を果たせば今度は同ポジションを争うライバルが台頭と、たやすく定位置確保をさせてはくれない状況になっている。

 開幕を前にロベルト・マンチーニ監督(当時)が辞任。後任にはオランダ型のポゼッションサッカーを志向するフランク・デ・ブール監督が就任したが、そこで長友は急激に序列を落とすことになった。開幕戦こそ90分間出場したが、まだチームが仕上がり切っていない時期に故障。その間にデ・ブールは戦術的に安定したDFダビデ・サントンを左サイドバックのファーストチョイスとし、才能溢れる19歳のDFセナ・ミアングが良いと分かれば彼も試した。その間で長友は出場機会を失い、ELグループリーグ第2節でベンチ外となることもあった。

 ただし、チーム自体は低調。その間、練習でアピールし続けた長友は少しずつチャンスを得るようになる。第7節のローマ戦では途中出場から相手の高速アタッカー陣を止め、ELでも先発出場の機会を得る。第10節のトリノ戦では先発フル出場、試合終了間際にライン際のボールに喰らい付き決勝点にも繋げた。ただ、こうしてようやくデ・ブールの目に留まるようなプレーができたと思いきや、今度は10月末にデ・ブール監督が解任。アピールは、また一からやり直しとなった

 もっとも、監督更迭をチャンスとし定位置奪取に挑むのは彼だけではない。ステファーノ・ピオーリ新監督のもと、信頼を得たのは別の選手たちだった。右ではDFダニーロ・ダンブロージオが定着。戦術理解力の高さを発揮して、3バックのセンターバックとしても幅広い対応を見せた。そして左にはDFクリスティアン・アンサルディ。持ち前の繊細なボールコントロールを発揮して、器用にボールを前に運んでいく。守備にはやや難があるものの、サイドバックにも積極的な攻撃参加を求める現監督の戦術においてはファーストチョイスとなっている。

 このように振り返ると、長友は外的要因で序列を落としたようにも見える。しかし一方で、選手自身のパフォーマンスにももっと説得力が欲しかった印象も否めなかった。チャンスを得て、一度良いプレーをしたかと思えばその次の試合で凡庸な出来に終わるなど、安定感に欠けたのだ。先発のチャンスを得ながら対面のサイドを押し込まれ、途中交代の憂き目にあった第9節のアタランタ戦、オウンゴールは不運極まりないとはいえ結果的に敗戦に関わったEL第4節のサウサンプトン戦、そして俊足のアウトサイド、FWダルコ・ラゾビッチに苦しめられた第16節のジェノア戦。こうした試合で不安定さを晒したことが、定位置確保に至っていない理由となっているのではないだろうか。

 現状で、ピオーリ監督は長友を貴重な戦力の一つとはみなしているようで、現にベンチスタートとなっても全く使われずに終わるということは序盤戦ほどなくなった。ただやはり、実績を残すということにこだわって安定感を出して、ファーストチョイスの奪回に繋げてほしい。コッパ・イタリアのある1月は過密日程となるが、ELで敗退したインテルはそれが過ぎると試合が減る。その前にしっかりと練習でアピールし、納得のいく結果をピッチで多く残せるかどうかが勝負所となる。

《取材・文=神尾光臣》

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