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16/12/21【週刊 本田圭佑】終わりが近づきつつあるミランでの冒険

先発出場も期待された一戦、結局、プレー機会は得られず(写真:Getty Images)

タイトルのかかる一戦がラストマッチになるか

 2試合連続途中出場に続いたのは、今季2度目のスタメン出場でも、3試合連続途中出場でもなく、今季の定番、「出番なし」だった。2016年のリーグ戦最終戦でプレー機会を得られなかったMF本田圭佑は、このままミランを去ることになるのだろうか。

 スタメン入りが騒がれながら、ふたを開けてみれば途中出場に終わった前節ローマ戦、本田は2試合連続となる途中出場を果たした。だが、84分からピッチに登場した背番号10は、決勝点をおぜん立てしたクロトーネ戦とは違い、何もできないままタイムアップの笛を聞くことに。一部では、「試合を変えることができない選手」として不満をぶつけられた。

 17日のアタランタ戦で再び本田がベンチを温めるだけに終わったのは、ローマ戦の出来が理由だろうか。おそらくは、違う。ローマ戦では不調のFWエムバイェ・ニアンの代役として先発出場可能性が取りざたされた。そのニアンはローマ戦でもPKを外すなど、精彩を欠き続けている。だが、アタランタ戦ではMFジャコモ・ボナベントゥーラが復帰した。

 ボナベントゥーラは負傷で欠場したクロトーネ戦とローマ戦を除き、すべての試合で先発出場している。そして、出場停止や負傷、休養でニアンが不在のときは、常に左ウイングを務めてきた。ビンチェンツォ・モンテッラ監督からの信頼が抜群の選手だ。

 当然、アタランタ戦のスタメンを選ぶ際、指揮官の頭にあった左ウイングの選択肢は、ニアンかボナベントゥーラだった。そこに本田の名前はない。そして右ウイングではすでにFWスソとのポジション争いに敗れている。状況は、まったく出番がなかった11月までのそれに戻ってしまったのだ。

 2連敗中だったとはいえ、今季のアタランタは6連勝を記録するなど絶好調のチームとあり、ミランは前半に激しいプレスなどで苦しめられた。後半は疲れも出たアタランタを押し、ゴール前に迫る場面もあったが、均衡を破るには至らない。

 勝ち越しを目指すモンテッラ監督が終盤に切ったカードは、ボナベントゥーラ同様に戦列復帰を果たしたFWカルロス・バッカと、不振ながらもワンプレーで変化をもたらすことが期待できるニアンだった。短時間でこう着状態を打開できる力を持つ選手を投入したのは当然だ。スタメンにしても、途中出場にしても、本田に出場機会がなかったのは必然だった。

 出番がなくなれば、再びチラホラと聞こえてくるのが移籍の話題だ。身売りが延期となったミランは、あてにしていた補強資金が入らず、資金調達や経費削減のために一定数の現有戦力放出が必須とも言われる。その放出候補の一人に挙げられているのが本田だ。一方で、フリーとなる来季を待って希望のチームに移籍するとの声も絶えない。去就をめぐるうわさはまちまち。確かなのはミランでの本田の冒険が終わりに近づきつつあるということだ。

 当然、2016年最終戦となるスーパーカップにも期待はできない。カタールの地で王者ユベントスと競うのは、ミランにとって5年ぶりのトロフィーだ。クラブは力を入れており、今季の合計プレー時間がわずか95分という本田にチャンスが回ることは考えにくい。出番があるとすれば、ミランが逃げ切りを図りたい状況になった場合くらいだろうか。

 圧倒的な強さを誇る王者ユーベだが、スーパーカップは一発勝負。しかも、今季のミランはユーベを1-0と下している。アドリアーノ・ガッリアーニCEOは、2016年の3試合でユーベに下回ったことはないとプライドをのぞかせた。実際、期待するミラニスタも少なくない。

 もしも勝てば、本田にとってはミランでの初タイトルだ。彼自身が「自分のトロフィー」と感じるかどうかは、また別の話だが…。

《文=J:COMサッカー編集部》

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