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16/12/08【週刊 長友佑都】アンサルディの出場停止でチャンス到来

試合に向けて準備をする長友(写真:Getty Images)

ナポリ戦には3失点で完敗

 過密日程の中で迎えた2日のナポリ戦だったが、またもDF長友佑都の出場はなかった。4-2で勝利した28日のフィオレンティーナ戦から中3日、ステファーノ・ピオーリ監督はフォーメーションの維持を図った。したがってサイドバックの顔ぶれもそのままで、右にダニーロ・ダンブロージオ、そして左にクリスティアン・アンサルディ。「勝利したチームは変えてはいけない」という格言がイタリアのサッカー界には存在するが、チームが固まっていない中でメンバーやシステムをいじらないというのも理知的な決断ではあっただろう。

 もっとも、試合は3失点を喫して敗れた。ワンタッチでボールがスピーディーに回り、各選手がダイナミックに動くナポリのサッカーについていけずに守備が崩壊。序盤で2失点を喫した後は、ひたすら防戦一方の展開となった。正確には点を取ることのできるチャンスもあったのだが、雑なフィニッシュでものにできなかった。彼らだけでの責任でもないのだが、先発したサイドバックたちも防戦一方。ダンブロージオはFWロレンツォ・インシーニェの仕掛けを止められず、アンサルディはFWホセ・カジェホンのマークを度々外して裏を取られた。

 そのアンサルディが3試合連続で警告をくらい、次節での出場停止が決まった。長友佑都にとってはチャンスの到来を意味するが、サイドバックで起用されるとは限らない。最新の情報だと、ピオーリ監督は3バックへの転換を意図しているようなのだ。

 確かにここ最近のインテルは、中央をぶち抜かれることが多かった。ピオーリ監督はガリー・メデルをセンターバックで起用したが、20日のダービーでいきなり故障。昨季まで高い安定感を誇示していたジェイソン・ムリージョはこのところ不調、代わりにアンドレア・ラノッキアを起用してはみたものの、失点癖は解消しなかった。さらに中盤の守備は惨憺たるもので、特にジョフレイ・コンドグビアはDF前のフィルター役を全くこなすことができていなかった。こういう状況なので、最終ラインの枚数を増やして中央を固めようという考えに落ち着いているようである。

 さて長友は、3バックとしてどこで使われるのか。アンドレア・ストラマッチョーニやワルテル・マッツァーリらが監督をしていた時期のようにウイングバックで使われるという可能性が高いが、問題はポジション争いである。ダンブロージオやアンサルディは、長友同様に4バックのサイドバックも3バックのウイングバックも可能だ。それに加えて、ウイングをやっていた選手も参入してくる可能性もあるのだ。アントニオ・カンドレーバもジョナタン・ビアビアニーもウイングバックがこなせる選手。特にカンドレーバはイタリア代表でもウイングバック機能が多く、インテルでもフィオレンティーナ戦で右サイドの攻守をさながら一人で請け負っていた。ダンブロージオがフェデリコ・ベルナルデスキにマンマーク的な対応をして中へと絞ったため、裏のカバーは彼が担当していた。

 こういう状況の中で、長友はどうやってアピールをすることになるのだろうか。13-14シーズンの5得点6アシストいう成績にも現れている通り、彼はウイングバックとしてプレーした時にそれなりの数字を残している。ただ現在のチーム状況で3バックに移行すると、前述の通り攻撃力に秀でた選手が競争相手となる可能性が大きくなる。安定感のある守備をすることはもちろんのこと、チャンスメイクにおいても着実な貢献を果たせるかどうかが、定位置確保には重要となるだろう。とにもかくにも、今重要なのはチームの勝利。出場した試合を勝ち点3の奪取に繋げられるよう、熱意と責任感のこもったプレーを期待したい。

《取材・文=神尾光臣》

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