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16/11/21【エールディビジレポ】ヘーレンフェーン小林祐希。フィテッセ相手に攻守の舵取り役を全う

へーレンフェーンで活躍を続ける小林(写真:Getty Images)

監督の戦術的要求に応える働きを見せる

 日本代表MF小林祐希の所属するヘーレンフェーンは左サイドバックの太田宏介を擁するフィテッセをホームに迎えた。代表ウィークを挟み9試合続けてのスタメンとなった小林は中盤の“大黒柱”であるMFスタイン・スハールスを欠く状況で、通常の4-3-3のインサイドハーフではなく、4-4-2の左ボランチを担当した。

 マンツーマン気味の守備でヘーレンフェーンの組み立てを封じようとするフィテッセに対し、中盤でボールを動かしながら人も動く流れを作っていくヘーレンフェーン。小林はマーカーのマーベラス・ナカンバにボールを奪われたところからピンチを招いたが、その後は落ち着いて中盤の底をワイドに動き、正確なパスをワイドに振り分けた。

 時にアンカー的なポジションを担いながら、フィテッセの起点を潰していく小林。11月11日のオマーン戦でも失ったボールに鋭くアプローチしていたが、「これまでトップ下だったから、(守備が)フォーカスされていなかっただけだと思います」と語っていた。

 それでも明らかに人に厳しくなった守備で貢献し、次の攻撃の起点になっていく。しかし、フィテッセも後半には7試合ぶりのスタメン出場となった太田が左サイドを突破して得意のクロスに持ち込み、FWファン・ボルフスフィンケルの惜しいシーンを演出するなど、ホームのヘーレンフェーンを押し込んだ。

 そうした状況でヘーレンフェーンはユネス・ナミルのパスからアーバー・ゼネリがディフェンスラインの裏へ抜け出し、GKエロイ・ロームと1対1になるが、右足のシュートを弾かれてしまい先制ゴールならず。逆に72分、ナカンバの展開から右サイドバックのケビン・レールダムに巧妙なアーリークロスを上げられ、最後はルイス・ベイカーに技ありのループでゴールを決められた。

 このシーンで小林はナカンバの進出コースをうまく切っていたが、左サイドのモーテン・トルスビーの対応がはっきりせず、ナカンバのパスを受けたレールダムをタイトにチェックすることができなかった。このあたりは普段と違うシステムがマイナスに出たかもしれない。終盤に差し掛かる時間帯でリードを許したヘーレンフェーンはディフェンスラインを上げて攻勢をかけるが、フィテッセの粘り強い守備をなかなかこじ開けられない。

 だが84分に左のスローインからFWサム・ラーションが華麗なターンでナカンバのプレスをかわすと、中に切り込む素振りから右足インサイドでスルーパスを通し、途中出場のFWヘンク・フェールマンがGKの足下を破るシュートで同点ゴールを決めた。結果は1-1の引き分けでヘーレンフェーンはヨーロッパリーグ圏内の4位、フィテッセは8位となっている。

 この日はスハールスの分も攻守のバランスを取ったためか、持ち味の1つであるタイミングよくゴール前に走り込むプレーは見られなかったものの、ユルゲン・ストレッペル監督の戦術的な要求にしっかり応える働きを見せている様子だ。状況に応じた役割のベースを着実に引き上げながら、小林の持つスペシャリティを発揮していければ、欧州での視野はさらに開けてくるはず。

 次節はいよいよオランダ随一の名門アヤックスとの対戦だが、おそらく国内外で大きな注目が集まるビッグマッチでも、しっかり地に足を付けて好パフォーマンスにつなげることを期待したい。

《文=河治良幸》

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