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16/11/20【週刊 本田圭佑】出場機会に恵まれないまま迎える冬の移籍市場

サウジアラビア戦では後半からの出場で決勝点を演出した(写真:Getty Images)

 15日のワールドカップ(W杯)予選サウジアラビア戦後、多くを語らないまま機上の人となった本田圭佑は、ミラノに向かうフライトで何を考えただろうか。

 10月のオーストラリア戦で本田のコンディション不足を指摘していた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、キリンチャレンジカップ2016のオマーン戦で本田を先発に起用し、1時間ほどプレーさせた。そして試合後、「リズムが足りないと確認した」と改めて試合勘の欠如を強調した。

 本田自身の評価は違う。指揮官と見解にギャップがあることを認めつつ、「代表にふさわしいかどうかは自分で判断できる」とコメント。スタメンから外されるのであれば、ハリルホジッチ監督には納得のいく説明をする義務があるとプライドをあらわにした。

 だが、指揮官が導き出した結論は、本田のベンチ降格だった。

 サウジアラビア戦は、ハリルホジッチ監督の進退も懸かると言われた「絶対に負けられない」一戦だった。その大一番で、岡崎慎司や香川真司とともに、“キング”だった本田をスタメンから外したのだ。大きな決断だったことは言うまでもない。

 そして、指揮官のチョイスはヒットした。結果が、正しい人選だったと裏付けた。

 先発に選ばれたのは、オマーン戦でも好印象を残した大迫勇也、清武弘嗣、そして久保裕也。ここに原口元気を加えた前線の4人は、PKで先制点を奪った前半、好パフォーマンスを披露している。久保は負傷でハーフタイムに交代したが、少なくとも前線に関して、サウジアラビア戦は世代交代に向けたターニングポイントとなり得る一戦だったと言えるだろう。

 久保に代わって後半から出場した本田も、原口の決勝点に絡んだ。2-1で勝利した日本だが、クロスを入れた長友佑都と本田の左サイドでのコンビネーションがなければ、追加点を奪えないまま終わっていたかもしれない。本田は45分間のプレーで最低限の結果を残した。少なくとも、酷評されるパフォーマンスではなかった。

 それでも、クラブでコンスタントに出場していたときのプレーと違うのも明らかだ。本人は「意識の問題」と繰り返してきたが、9月、10月、11月と、試合勘の欠如は浮き彫りになる一方。再び存在感を示すには、ハリルホジッチ監督が求める先発での出場機会を手に入れるしかない。結局は、2カ月前から言われてきたことがすべてなのだ。

 しかし、その出場機会が得られる可能性が依然として薄い。ミランは20日にインテルとのミラノダービーに臨むが、背番号10は再びベンチスタートと予想されている。

 本田はサウジ戦を前に、夏に希望した移籍が実現しなかったからミランにいると述べ、「しがみついているわけじゃない」と退団が選択肢だと認めた。納得できる移籍なら、1月にもミランを去る用意があるということだ。本人も出場機会を得られるクラブを望んでいるということだろう。

 気になるのは、ミランで出番がないことについての発言だ。本田はこれまで成果を残せなかったと認めつつ、若手主体のチームに移行しているなかで、契約最終年の自身にチャンスが回ってこないことに理解を示した。

 契約最終年の問題も、ミランが若返りを図っているのも事実だ。だが、エースのカルロス・バッカや守備での貢献が評価されるガブリエル・パレッタは30歳。中盤のレギュラーであるユライ・クツカも2月で30歳だ。それぞれ20代の控えがいるなかでレギュラーを務めている。マヌエル・ロカテッリがブレイクしたのは、リッカルド・モントリーヴォが負傷離脱したからでもあり、そのモントリーヴォは31歳ながら故障するまでレギュラーだった。

 純粋に、本田はスソとのポジション争いに敗れたというのが現実だ。ハリルホジッチ監督の評価とのギャップにしろ、ミランでの立ち位置に関する見解にしろ、本田の自己分析には微妙なズレが生じているのではないだろうか。これが今後の去就に影響するかが注目される。

 代理人を務める兄の弘幸氏は先日、イタリアメディアで、うわさされる上海上港とのコンタクトを否定した。本人は主要リーグでのプレー続行が希望という。だが弘幸氏は、他クラブからの接触がないとも述べた。ここでも、ミランで出場機会がないという事実が重くのしかかっている。

 サウジ戦後、本田は言葉少なにミックスゾーンを立ち去ったという。冬の移籍市場まで1カ月半。ミランでの将来がなくなりつつある今、キャリアの大きな岐路を迎えた本田の次の発言が待たれる。

《文=J:COMサッカー編集部》

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