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16/11/08【欧州レビュー】ヤングボーイズ久保裕也、途中出場も代表選出を自ら祝う豪快ゴール

オーストリアで結果を残している久保(写真:Getty Images)

代表招集を自ら祝うゴール

 スイス・スーパーリーグの第15節はFW久保裕也を擁する3位のヤングボーイズがアウェーで4位のルツェルンと対戦。日本代表に4年9カ月ぶりに選出された久保は過密日程による“休養”を理由に10試合ぶりのベンチスタートとなったが、途中出場から86分に豪快なダイビングヘッドでリーグ3連発となるゴールを決めた。

 4-4-2のヤングボーイズはロングボールの処理をディフェンスラインが誤ったところからルツェルンのMFニコラス・ハースに先制ゴールを決められてしまったが、47分にはスローインの流れから放ったヨリク・ラベのミドルシュートがそのハースのオウンゴールを誘い1-1の同点に追い付いた。そこから何度か守護神イボン・ムボゴの好セーブなどで何とかピンチをしのいだヤングボーイズ。アドルフ・ヒュッテル監督は65分に “切り札”の久保を投入する。

 与えられた25分間でチャンスをものにしようと、前線に張る大型FWギョーム・オアロウの背後から鋭い動き出しで攻撃を活性化するセカンドアタッカーだが、なかなかラストパスが合わずに時間が経過。アディショナルタイムまで残り4分というところで久保のスペクタクルなゴールが生まれる。ガーナ人CBカシム・ヌフの大きな展開が右前方のラベに渡る。

 ルツェルンのディフェンスラインから見て右SBの手前にポジションを取っていた久保は中央のオアロウと交差する様に走り出し、ラベが右足でクロスを上げる瞬間に両CBの間を抜け出した。同時にオアロウが右SBと右CBの間を狙うことで、ディフェンスを開く効果をもたらした。

 低く速い弾道が左CBサリー・サーの裏を通り過ぎたボールに久保がダイビングヘッドで合わせると、クロスの軌道に入ろうとしたGKダビド・ジブンの逆を突いてゴールネットに突き刺さった。まさに気鋭のストライカーらしい久保のゴールで勝ち越したヤングボーイズだったが、アディショナルタイムにパワープレー気味の攻撃からハイクロスに合わせる形でFWマルコ・シュニューリーに同点ゴールを決められた。

 惜しくも勝利を逃したヤングボーイズだが、久保にとっては代表に弾みをつける今季のリーグ戦5得点目となった。バイッド・ハリルホジッチ監督が「衛星的な動きで背後やニアサイドに走る」と評価する通りのプレーで結果を出した久保は「ゴール前16メートルに入っていく」(ハリルホジッチ監督)役割と何よりゴールを期待される。

 タイプは違うものの、今回はドイツのケルンで活躍するFW大迫勇也も選出されており、イングランドのレスターでようやく調子が上がってきたFW岡崎慎司、アーセナルからレンタルされたドイツ2部のシュトゥットガルトで初ゴールを決めたFW浅野拓磨などライバルは多い。その中で代表指揮官が待望する“真のゴールゲッター”として台頭できるか。

 U-23代表が臨んだリオ五輪はクラブの事情で大会前に辞退となったが、3年前にスイスへ渡った同世代のエースがいよいよA代表に参戦する。

《文=河治良幸》

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