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16/05/27【ACL】浦和ベスト8ならず。韓国の雄と激闘の末、PK戦に散る


ボールを争う高萩と武藤(写真:Getty Images)


Jリーグ勢は16強で消える
 浦和レッズがFCソウルの本拠地にソウルW杯スタジアムに乗り込んでの第2レグはACLのラウンド16でも稀に見る熱戦に。MF高萩洋次郎を擁するFCソウルが1−0で合計スコアを1−1とし、迎えた延長戦の前半4分にFWアドリアーノが決めて2−1。後半の土壇場で李忠成の連続ゴールで浦和が逆転に成功したものの、終了間際のロスタイムにMFコ・ヨハンに決められ、3−3でPK戦に決着が委ねられることとなった。

 PK戦はFCソウルの3人目のバルバがゴール右に外し、一時は浦和がリードしたものの、5人目のキッカーとなったGKの西川周作が左足で正面に蹴ったボールをGKユ・サンフンに止められ振り出しに。そして8人目のキッカーMF駒井善成が間合いを外す動作から右に蹴ると、タイミングを合わせた相手GKに止められた。最後はDFキム・ドンウに決められ、惜しくも敗れた浦和はJリーグ最後の希望としてベスト8に進出することができなかった。

 試合終了まで残り3分で上海上港にゴールを決められた前日のFC東京に続き、浦和は延長戦で一度勝ち越されながら逆転というドラマチックな勝利を目前としながら、やはりパワープレー気味の攻撃をせき止められずに追い付かれ、PK戦の末に敗退した。シチュエーションは異なるものの、やはり勝負というところで16強の中でも難敵と観られた中国と韓国のチームに競り負ける結果となった。

 この日の浦和は鬼気迫る攻撃を見せるFCソウルに対し、自陣で何とか跳ね返す展開が続いた。ボールを持てば丁寧なビルドアップで挽回しようとしたが、FCソウルの激しいプレスに落ちパスの正確性を維持できず、中途半端な位置でカットされたところから何度もピンチを迎えた。結果的に遠藤航の横パスをアドリアーノに奪われ、最後はFWデヤン・ダムヤノビッチに合わされ合計スコア1−1となる先制点を奪われたが、前半における流れ通りの失点だったとも見ることができる。

 ただ、この時点でも浦和がアウェーゴールを奪えば仮にもう1点取られても浦和が勝ち抜けるシチュエーションだった。ミハイロ・ペトロビッチ監督は後半頭から、攻撃にうまく絡めていなかったFW武藤雄樹を下げてFWズラタンを投入。サイドチェンジを増やしてMF関根貴大とMF宇賀神友弥を起点にサイドからの仕掛けやクロスを増やす狙いがはまりかけるシーンもあったが、FCソウルを押し切ることおができないまま、千歳一隅とも言えたMF柏木陽介のラストパスから得たチャンスもFW興梠慎三のシュートが外れてしまう。アディショナルタイムにはMFチュ・セジョンのドリブル突破からゴール前でラストパスを受けたアドリアーノにシュートを打たれたが、西川が至近距離で止めて延長戦となった。

 


5本目のPKで流れが変わった(写真:Getty Images)

 

延長戦で得たリードを守り切れず
 延長戦の序盤に中盤のルーズボールからチュ・セジョンに長い縦パスを通され、FWパク・チュヨンのリターンパスに走り込むアドリアーノが合わせる形で勝ち越しゴールを奪われた。しかし、そこから浦和が怒濤の反撃を見せ、後半7分にはDF槙野智章の攻撃参加からサイドチェンジのパスを右前方の駒井がヘッドで折り返し、ゴール前のディフェンスの頭上を越えたボールに李が飛び込んで合わせた。

 これで合計スコアは2−2。延長戦はアウェーゴールが適用されないため、そのまま終われば延長戦となるが、同点ゴールから3分後の後半10分に今度は柏木、ズラタン、梅崎とつないでクロスに李が左足で合わせて連続ゴールで逆転。ベンチ前では歓喜の輪ができたが、長身FWのシム・ウヨンを投入してパワープレーに出たFCソウルの猛攻を最後まで防ぎ切ることができず、最後はコ・ヨハンに得意のミドルシュートを叩き込まれた。

 PK戦はもともと決勝トーナメントで先に進むチームを決めるために設けられたルールであり、運も多分に含んでいる。もちろん、振り返ればなぜ西川が5人目のキッカーだったのか、止められたキックは無かったのか、駒井はなぜ変則的なキックを蹴ったのかなど、議論は尽きない。ただ、振り返れば90分の中での戦いと延長戦でリードした残り時間で防ぎきれなかったことにも言及するべきだろう。

 今大会の浦和は開幕前から意識的に取り組んできたという球際や攻守の切り替え、セットプレーの守備など、従来の哲学とは異なる部分にフォーカスして強化したことが結果として実を結んだ部分は確実にあるだろう。だからこそ決勝トーナメント進出を果たし、8年ぶりのベスト8まであと一歩のところまで来たのだが、そこにどんな強化を加えていくべきなのか。ここまで来たからこそ味わう悔しさを糧に、Jリーグでのタイトル奪取と開催国枠でのクラブW杯出場権を目指していくことになるだろう。

«文=河治良幸»

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