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16/03/29【日本代表コラム】頼れるキャプテンは日本を勝利に導けるか

アフガニスタン戦の先制点の起点となった長谷部誠(写真:Getty Images)

あのゴールは、長谷部の縦パスから始まった

 5-0の大勝を飾ったアフガニスタン戦だが、前半43分に先制ゴールが決まるまでは、ハリルホジッチ監督が「皆さんと同じで、シンガポール戦(0-0)のことを思い出した」と振り返る難しい展開だった。

 その中で前半28分ごろに相手選手の負傷でプレーが途切れたタイミングを見計らい、主将の長谷部誠が選手たちを集め、円陣を作って意識をすり合わせた。原口元気は「修正というよりも悪くはなかったと思うので続けること。30分まで点が入っていないので、ガンガン行こうと。メンタル的な部分です」と状況を説明する。

 岡崎慎司が決めた先制点は清武弘嗣の絶妙なアシストも光ったが、その起点となったのは長谷部の縦パスだった。左から右へと展開された流れで、右SBの酒井宏樹がボールを受けると、長谷部は中央から右方向に流れてパスを呼び込み、相手のタックルが来る寸前に、前方の清武にパスを通した。

シリアとの前回対戦

 振り返れば、オマーンで行われた前回のシリア戦も0-0でハーフタイムを迎える厳しい展開だったが、ペナルティーエリアに走り込む岡崎にロングパスを出し、本田圭佑の先制点につながる後半10分のPK獲得シーンを引き出したのも長谷部だった。

 「どの試合も1点目が入るまでは相手も集中している。そこまでに手こずっているなという感覚はもちろんあるが、だからといって焦る必要はない」

 そう語る長谷部は「前半の早い時間帯に点が入らないという状況を経験することも成長していく上では大事なことなのかなと思ってやっている」と、チームが成長する中で、苦しむ状況もそのプロセスとして考えている。それでも「早い時間帯に点が入るに越したことはない」という長谷部が意識するのは縦パスをいかに入れて攻撃の起点を作っていくかだ。

 中央を固めてくる相手に対して、縦パスだけで簡単にチャンスを作ることはできない。いかに中央と左右のサイドを使い分けるか。アフガニスタン戦では左サイドが空きやすいことを見極め、そこを狙いながら前半の終わりに空いて来た中央を突いた。なかなか得点が入らない中でも丹念に攻撃を組み立てたことが布石となっていたことは確かだ。

狙うは5年ぶりのゴール

 アフガニスタン戦は中盤をダイヤモンド型にした[4-4-2]という新しいシステムで、長谷部は“アンカー”とも呼ばれる1ボランチを担ったが、シリア戦は山口蛍とダブルボランチを組むことが予想される。

 長谷部、山口、そしてトップ下に香川真司を配置する布陣は前回のシリア戦と同じ。典型的なプレーメーカーが存在しない構成となるが、最終ラインのサポートを得ながら、山口とともに攻撃を組み立て、2列目の香川や3トップに高い位置で勝負させる状況を作っていけるかが勝利のカギを握る。ただ、その仕事だけに徹するつもりはない。

 「個人的にはもっともっとゴールに絡むプレーを求めていきたい。点を取ることもそうだし、アシストすることもそう」

 試合の流れを作り、起点を作り、さらに得点につながる流れに絡む。もちろん、その延長線上には2011年1月のアジアカップでシリアを相手に決めて以来となる自身の代表戦ゴールもある。記者からの質問に「はい。取りたいですけどね」と笑顔で答えたが、何より大事なのは攻守に渡り勝利に貢献することだ。

 ハリルホジッチ監督がブラジルW杯でベスト16に導いたアルジェリア代表の最年長選手は当時31歳であり、キャプテンのマジド・ブゲラだった。ロシアW杯が行われる2018年に長谷部は34歳で迎える。最終予選を突破しても本大会のエントリーが保証されているわけではないが、指揮官の厚い信頼を得て、さらなる成長と挑戦を続けるキャプテンの存在なしに、現在の日本代表を語ることはできない。

《文:河治 良幸》

2018FIFAワールドカップロシア
アジア2次予選 兼 AFCアジアカップ2019予選

・日本 vs シリア
 3月29日(火) 夜6:50〜深夜9:50(生中継  NHK BS1、テレビ朝日系)

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