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15/11/26【セリエ】スクデットを争う大一番


ユーベがミランに4-0で勝利した(写真=Getty Images)

さみしい大一番はユーベが希望をつなぎ、ミランはさらに後退

 6位と7位の対戦らしかったといえば、それまでかもしれない。だが、ユベントス対ミランという大一番だけに、さみしい内容だったことも事実だ。

 序盤戦の不振から巻き返しを図る両ビッグクラブの対戦は、浮上を懸けた重要な一戦だった。それにふさわしい緊張感もあった。だが残念ながら、見る者を魅了するパフォーマンスではなかった。結果、FWパウロ・ディバラの決勝点で1-0と勝利したユーベが5連覇への夢をつなぎ、ミランは低迷が続く形となったというだけだ。

 それでも、ユーベはこれで3連勝。前節で初の2連勝を飾ったばかりだけに、今季の課題だった継続性を身につけつつあることは朗報だ。年内には上位のフィオレンティーナとの直接対決もある。クラブが「最低目標」に掲げるチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得は、まだ十分に可能であり、この流れを続けられるかどうかが鍵となる。

 一方のミランは、連勝が3で止まった前節アタランタ戦に続き、さらなる後退となってしまった。ユーベ相手に敵地で敗れること自体はあり得る。だが問題は、プレー内容だ。チームの重心は低く、攻撃の糸口がほぼ見つけられないまま、守備に専念しながらも逃げ切れず。ビッグクラブにふさわしい戦い方でなかったうえに、勝ち点1も得られなければ、批判されるのもやむを得ない。


思うようにプレーできず、勝ち点3を逃したローマ(写真=Getty Images)

ローマは「足を使った水球」で足踏み
 両翼を失ったローマも、波に乗ることができていない。ボローニャ戦は、2-2のドローに終わった。

 試合は大雨のため、ピッチのいたるところにぬかるみがある劣悪なピッチコンディションで行われた。ルディ・ガルシア監督は試合後、「足を使った水球だった」とコメント。「サッカーではなかったから」との理由で、試合へのコメントを拒否したほどだった。

 ローマ陣営は試合の延期を求めたというが、主審が試合開催と決めた以上はやむを得ない。そして、それは逃げ切れなかったことの言い訳にもならない。ローマは先制されながら逆転し、終盤までリードしていたにもかかわらず、87分の失点で勝ち点2を落とした。

 勝負どころで勝ち点を確保する踏ん張りがきかないと、悲願のスクデットは遠い。ローマで批判され、退団したFWマッティア・デストロに同点弾を決められたのも、なんとも皮肉だった。 


絶好調のナポリは、次節インテルと対戦する(写真=Getty Images)

攻守の好調止まらず、ナポリは公式戦16試合連続無敗
 一方、ナポリはベローナの堅守に苦しみながら2-0と勝利した。ここ8試合で7勝1分けと絶好調を維持している。公式戦ではリーグ開幕戦を除き、16試合連続無敗だ。

 今季未勝利で勝ち点1を狙ったベローナが、昔ながらのカテナッチョで徹底的な守備戦術を敷いたことで、手こずったナポリだったが、後半にFWロレンツォ・インシーニェが均衡を破ると、FWゴンサロ・イグアインの追加点で勝負を決めた。

 ナポリをけん引するのは、2人でチームの総得点の7割をたたき出しているイグアイン(10得点)とインシーニェ(7得点)なのは間違いない。だが、公式戦6試合連続クリーンシートの守備陣も評価に値する。セリエAでの失点数は8と、インテルに続くリーグ2位の数字だ。


快勝したインテルは首位攻防戦に弾み(写真=Getty Images)

インテル、ついにウノゼロ脱却! 4得点大勝は分岐点となるか
 エンポリとのトスカーナダービーで2-2と引き分けたフィオレンティーナに対し、インテルはホームで4-0と今季初の大勝を飾り、単独首位へと浮上した。

 先発に抜擢されたFWジョナタン・ビアビアニーのゴールで前半からリードしたインテルは、後半の53分という早めの時間帯に追加点を奪った。今季のインテルがウノゼロ(1-0)ばかりだったことは、ご存じのとおり。2点目を手にしたことで、精神的にも解放されただろう。それも、決めたのがゴール不足を批判されているFWマウロ・イカルディとあれば、これ以上のシナリオはない。

 ビアビアニー同様にスタメンに選ばれたFWアデム・リャイッチの活躍もあり、インテルは終盤にも2得点を加えて久しぶりにサン・シーロの観客を楽しませることができた。この試合をきっかけ、得点力を高めていければ、目標であるCL出場権獲得だけでなく、スクデットも見えてくるはずだ。

 だが、内容の向上が必要という状況は変わりない。前節トリノ戦で決勝点を挙げ、重圧から解き放たれたかに思われたMFジョフレイ・コンドグビアが再び精彩を欠いたことも心配だ。


無失点の続くインテル守備を崩せるか(写真=Getty Images)

スクデットを争う大一番、ナポリとインテルが直接対決
 そしてそのインテルにとって大きなテストとなるのが、次節のナポリとの直接対決だ。サン・パオロでの大一番は、スクデットが懸かる一戦とも言えるだろう。

 注目はもちろん、好調のナポリ攻撃陣をインテルの堅守が止められるかどうかだ。得点ランク首位のイグアインと3位インシーニェを擁するナポリだが、リーグ最少の7失点を誇るインテル守備陣は、4戦連続クリーンシート中だ。

 インテルはDFジェイソン・ムリージョとDFミランダのセンターバックコンビがイグアインを抑えられるかどうかが鍵となる。だが、左サイドからかき回してくるインシーニェも抑えなければいけない。右サイドでの守備も重要なポイントとなる。DF長友佑都の起用法も気になるところだ。

 


ユーベとミランにとって次節は勝利したい一戦(写真=Getty Images)

5連勝目指すユーベ、勝てば首位も射程距離?
 上位陣がつぶし合う間に勝ち点を積み重ねたいユベントスは、アウェイでパレルモと対戦する。

 会長の意向で監督交代に踏み切ったパレルモは、ダビデ・バッラルディーニ新監督の初戦となった前節ラツィオ戦で1-1と引き分けている。だが、内容ではアウェイながら強豪ラツィオを上回るパフォーマンスを見せており、ユーヴェも警戒しているだろう。

 だが、ナポリとインテルの直接対決がインテルの勝利以外に終われば、ユーベはパレルモに勝つことで首位との勝ち点差を7に縮めることができる。もはや十分に射程距離と言える差となるだけに、ここで確実に5連勝を飾り、さらに自信を深めておきたいところだ。


ミランは浮上のラストチャンス、大事な5連戦の初戦
 3試合ぶりの白星奪還を目指すミランは、ホームにサンプドリアを迎える。ここからの5試合で結果を残せなければ、ミランの復活は夢に終わるかもしれない。

 ミランは12位サンプドリア、最下位カルピ、19位ベローナ、18位フロジノーネと、下位チームとの連戦で2015年を終える。さらに、新年初戦も17位ボローニャとの対戦。その後はローマ、フィオレンティーナと上位陣との対決が続くだけに、サンプ戦からボローニャ戦までの5試合できっちりと勝ち点を積み上げなければ、浮上の可能性は薄まるばかりだ。

 だが、サンプドリアのビンチェンツォ・モンテッラ監督も、攻撃的な志向の持ち主であるのに加え、就任初戦を落としているだけに、ミラン相手でも勝ち点3を狙ってくるだろう。再びフォーメーションを変更するとの噂もあるミランだが、どんな形でもまず結果を残すことが優先される。

《文=J:COMサッカー編集部》

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